アジアの子供の苛立ち

宿題をいやがる子どもにイライラ…。子どもがやる気になるためには?

2020/05/06
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは(^▽^)中3と小6の息子たちの相手に奮闘中のアラフィフママ、サンキュstyleライターのみい太です!

 緊急事態宣言の延長が決まり、休校生活もいつまで続くのか…不安がつのっている親御さんも多いかと思います。
 特に不安な声が挙がっているのが、
「子どもの勉強、どうなるんだろう…」
という声。

 子どもたちの勉強で困っている…という声は大きく分けたら次の2パターンではないでしょうか。

・勉強が遅れるのが心配。学校の宿題では足りないのでは?
という声と、
・たくさんのプリントを出されて、子どもにさせるのは親任せ…。子どもがやりたがらないのを無理やりさせるので、親子共々ストレスがたまる…。
という声。

 私の周りでは、両方の不安を抱えつつ、なんとか子どもに宿題をさせなくちゃ!と悪戦苦闘している親御さんの嘆きが挙がってきています
 学校から出されたたくさんのプリント、みなさんのお子さんたちは、どうしてますか?

宿題って、何のためにするのか考えたことありますか?

 我が家では、中3の長男が小学生の頃、宿題の時間が親子共々苦痛でしかたありませんでした。
 嫌がる子どもに、無理やり取り組ませる宿題。そのたびに、子どもも親もヘトヘトになる
…。
「いったい何のためにここまでしなくてはならないんだろう…。」と思うことも。

 今回は1冊の本をご紹介しながら、子どもに合った家庭学習のありかたについて、考えてみたいと思います。

 現在中3の長男は、読み・書き・計算に困難さを持った「学習障害」と診断を受けています。それでも就学相談の時点では、IQが平均以上ということ、言語性が高くおしゃべりが達者だったことなどから、普通級への就学を勧められ入学しました。
 学校では、音読や漢字の書き取り練習、計算の宿題が毎日出されます。読み書きと計算が苦手な長男は宿題を前にするたび大泣きし、自分の頭を自分で叩きながら取り組んでいました。
 このように、私たち親子が学校生活の中で1番苦しんだのが、宿題だったのです。

親の思い込みが、子どもを追いつめてたのかも…

 当時の私は、
「宿題は、みんな同じようにしなくてはいけないものなのだ。」
と考えていました。
 担任の先生からも
「量は減らしてもいいので、みんなと同じものをやってください。」
と言われていたこともあり、
「みんなはもっとたくさんやってるんだよ!減らしてもらってるんだから、わがまま言わずにがんばりなさい!」
と、大泣きする長男を叱りつけながら、やらせていたのです。

 …でも、心の中ではずっと思っていました。漢字の書き取りや計算プリント、音読は、やらなくてはならないものなのだろうか?彼の学力を伸ばすためなら、もっと彼に合ったやり方、彼に合った課題や目標でもいいんじゃないだろうか?…と。

そんなとき出会った一冊の本。教わったのは「子どものための学習の在り方」

 そんなとき出会ったのが、かもがわ出版『宿題なんかこわくない』という本でした。

『この世から宿題がなくなったら、親も子もどんなに楽しい時間を過ごせるだろう。宿題が引き起こす親子バトルの相談を受けるたびに思います。勉強が子どものストレスでなく、楽しいものにするために、わが子に合った方法をこの本から手に入れてください。』
(NPO法人福祉広場理事長 池添 素さん)

 図書館で手に取った一冊の本。その裏表紙にあったこの一文に、理解者をやっと見つけたような救われた気持ちになりました。すがるような思いでこの本を読み込みました。内容を一部ご紹介します。

 『宿題ができないからといって、その子が怠けているとは限りません。宿題ができないのには、理由があります。そして宿題ができなくても、勉強がまったくできないわけではありません。宿題のことを、そんなに重要に考えないでください。』
 
 『苦労して宿題をさせても、それに見合うほどの学習効果があるわけではないし、苦しいイメージばかりが増えて、子どもをますます勉強から遠ざけてしまうことさえあります。』

 …では、なぜ学校は、宿題を出すのでしょうか?

『お母様方は先生に当然の要求のように「学力をつけてください』とお願いします。(中略)先生もまた「学校としての成績を上げよ」と教育委員会や校長から命令されて、さらに宿題を課していきます。その結果、親も先生も「宿題をやらなければならない」と子どもを追い込んでしまうのです。』

 …本来なら、子どものために、子どもに合わせて用意されるべき家庭学習が、大人の都合で「宿題」として出されているのかもしれませんね。
 もしそうなら、子どもに合わせた形で用意してあげてもよいのではないでしょうか?この本では、学校でよく出されている漢字/計算/音読の宿題について、子どもたちが苦手意識を持つのはなぜか?を、ていねいに解説しています。そして、学習のやり方次第で、子どもたちが「できた!」という満足感を持ち、学習効果をあげることができる、ということも教えています。

 子どものタイプによって、「目で見ることで覚えやすい」「耳で聞くことで覚えやすい」「書くことで覚えやすい」と合う勉強方法がちがいます。

 例えば、昔から漢字はたくさん書いて覚える…というのが学校のやり方ですが、それが苦痛な子も、何度書いても覚えられない子もいるのです。そんな子には、
「パーツに分けて覚える」「語呂合わせで覚える」「指なぞりで覚える」
など、その子に合った勉強法を用意することで、苦痛が少なくなります。なにより、努力が結果となることで「覚えられた!」という達成感を味わえれば、さらにがんばろう!と思えるのです。
 (以下のサイトでは、東京学芸大学教授による、子どものタイプ別の漢字練習プリントをダウンロードすることができます。)

 『勉強をその子ができる形にしてやることで、子どもは自然に力を伸ばすことができます。また、時期がくれば自然と力を伸ばすこともあります。だから、子どもを勉強に合わせるのではなく、勉強を子どもに合わせてやればよいのです。』

 この本に勇気づけられた私は、宿題に対する考え方を変えました。そして、子どもに合った学習方法や環境を、試行錯誤しながら見つけていきました。

 通信教育のタブレット学習は、「書く」ことに苦手を感じる長男にとってやりやすく、また目で見て覚えるタイプだったので、いろんな動画や図を使っての学びは彼に合ったものでした。
 また、声を出しながら読むと、それで一生懸命になってしまって内容が頭に入ってこないようだったので、「声を出さずに黙読する」か「お母さんが読むのを聞く」かをその時に応じて選ばせました。
 担任の先生と相談をして、そのように彼に合った形の家庭学習を宿題として認めてもらうことができました。そのことによって、以前のように大泣きせず、「おやつの前にさっさとやっちゃうね~!」と、自分から取りかかるようになりました。

 「子どもを勉強に合わせるのではなく、勉強を子どもに合わせてやればよい」それがこれほどの効果をあげるとは…正直驚くほどでした。
 もちろんそのためには、「学校に全部おまかせ」ではなく、「先生とよく相談をする」「家庭で用意できることは用意する」といった、家庭での努力も必要になります。
 学校では、大勢のそれぞれ個性のちがった子どもたちをまとめながら、先生方が日々努力してくださっています。そのことに感謝をしながら、自分の子どもに合った学習方法や支援について相談・お願いをしていく姿勢が大切になります。
 そう考えると、休校中の今は、「その子に合った学習方法」で勉強をすすめるチャンスなのですね!出された宿題プリントにこだわらず、子どもに合った学習をすすめてもいいのかな、と思います。

親として大切にしたいのは、子どものがんばりを理解すること

 以前、私のブログでこの本の紹介をしたところ、あるお母さんからこんなうれしいコメントをいただきました。
 「宿題なんかこわくない。今読んでます!息子のことをわかりたいと思っていても、やはりどこかで自分基準でしかわかってあげられてないなあ~と、つくづく感じます。今日もなんやかんやありましたが、なんだかとても息子が愛おしい!息子はこんな風に生活しているんだ!と抱きしめてあげたい気持ちになりました。素敵な本を、紹介していただき、ありがとうございます!」

 子どもなりにがんばっていることに気がつくことで、愛おしさが募ってくることってありますよね。
 たくさんの親子が、毎日をストレスなく楽しく過ごせるように。この本が、その助けとなることを祈ります。

~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中3&小6の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 

元小学校▪特別支援学校教員 保育士
発達サポーター
ペアレントプログラムトレーナー
早期発達支援士

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