3代目家族笑顔(バスト)4組

【悩み相談】無職状態の義兄・高齢の両親・夫の体調などこの先が不安です…

2020/05/29
  • 1972年生まれ。『サンキュ!』創刊時(1996年)以来のカリスマ的人気読者。エッセイ集など著書を相次いで刊行したのち心理学を学び、現在はフリーランスの心理カウンセラーとして活動。『サンキュ!』では2007年から現在まで14年余りブログとエッセイを執筆。2021年10月より新連載「愉しくオバさんを生きていく。」をスタート(毎週月曜日午前9時更新)。趣味は旅行・ドライブ・ゴルフ・読書・スマホゲーム・お酒を飲むこと(1人で晩酌するのも大好き!)。もっと見る>>

こんにちは、心理カウンセラー・エッセイストの若松美穂です。
結婚をすると夫婦間の問題だけでなく、義父母、時には義兄弟や親戚まで、予想もしなかったような様々な問題が起こります。うまく対処しながら乗り越えていきたいものですよね。

今回は「無職状態の義兄・高齢の両親・夫の体調などこの先が不安です…」というお悩みが寄せられましたので、早速見ていきましょう。

お悩み:無職状態の義兄・高齢の両親・夫の体調などこの先が不安です…

▼相談者▼
A,YOさん41歳
▼家族構成▼
夫43歳・息子2歳

▼相談内容▼
夫の兄は20年近く無職状態のようです。「無職状態」と敢えていうのは詳細を教えてもらえないからです。やりたいことがあって国立大を中退したようですが思ったようにはいかず自殺を計った過去があるそうで、未遂には終わりましたがそれ以来鬱状態で引きこもりのようです。家族との会話はあるし親戚の集まりにも顔を出していますが、口数は少なくこの先のことをどう考えているのかわかりません。
わたしも就職氷河期世代ですし、非正規社員の身、義兄と同じような立場になっていたかもしれないと思うので、無闇なことを言いたくはありません。義両親も高齢ですし心配していますが、本人がどうしたいかはっきりせず、堂々めぐりのようです。夫も過去に鬱で休職を経験していますし、また「できる兄貴」だったらしく、尚更心配なようです。
将来義両親のみならず義兄のことも世話しなきゃならないのかと思うと不安でたまりません。夫もまた鬱になるかもしれないし、義兄がこういう状態だということを、結婚を決めるまで教えてくれなかったことに今更ながら不信感が湧いてしまいそうです。

私の意向としては「義兄さんが自らの状況を説明して、どんな支援をしてほしいか言ってこなきゃ助けられない。助けたとしても限度がある。自分たち家族を犠牲にしてまで助けるつもりはない」と夫には伝えています。夫はその点は理解していますが、果たしてこの先どうなることかと気が重いです。

未来を考えすぎず 『今』の自分の気持ちと家庭を大切に

あなたが「結婚前に教えてもらう事のできなかったことに不信感が湧いてしまいそう」と感じること。考えれば考えるほど「不安」、「気が重い」と感じるお気持ち、お察しします。義兄さんの立場にも理解を示し、高齢のご両親のことも察していらっしゃる。
あなたが、こうして相手のご家族皆さまのことも考える、優しい・面倒見のいい方だからこそ……生まれるお気持ちなのでしょう。

文面を拝見し、とても大きな救いがあるな~と思うことは、「助けたとしても限度がある。自分たち家族を犠牲にしてまで助けるつもりはない」と、“ご自分の考えを夫に伝えることができていること”、”ご自分の家族を一番に守りたいと思っていること“、さらに、“夫がその点は理解していること”ではないでしょうか。
自分の家庭を共に築くパートナーが、自分を理解してくれない(……だけではなく、理解しようともしてくれない)。自分よりも元の家族を優先し、寂しい思いをしたり、苦痛を味わっている妻もいる中で、あなたはそうではないということなのですよね。色々な方のお話をうかがい、個人的には、「話し合い・伝え合うことができる夫婦でいられること」は、当たり前ではなく、貴重な関係だなと私は感じます。

ご心配の義兄やご両親のことについて、話を移しましょう。
一つ伺いたいのは、『将来、義両親のみならず義兄のことも、“世話しなきゃならない”』と、決まっているのでしょうか。決めたのはどなたなのでしょう。
……と質問しながら、ある時まで、私もそう思いこんでいたうちの一人です。

*常識かしら?
*地域性?
*周りの人が ほぼ、ほぼそう?
*親にそう言われた?
*(言われてはいないけれど)親の姿を見て、
 そうしなくてはいけない……と思い込んでいた?

案外、『常識だからと捉えている』、『いい嫁・いい妻・良い義妹』でいるために、このルールを採用したのは「ご自身」という可能性もあるのですよね。

実は、私もある人に指摘してもらい、「え~、でもー」と、一旦は思ったのです。
一旦どころか、“しばらく”は自分のこれまでの考えを変えることができず、「それでいいの?」と自分を責め、悶々としていました。でも、のちのち、「確かに!誰に言われたのかしら?そんなルールあった?それって当たり前?」と、これまでの自分の信念を疑うようになりました。

答えや道・選択肢は、『こうしなければいけない』と一つになると、逃げ道がなくなり、辛くなるものです。だからこそ、見えない未来のことまで今決めて、「こうする」「こうしなくてはいけない」「こうするべき」と決めつけず、色々な可能性を用意した方が楽だとおもうのです。

それに、「助けたとしても限度がある。自分たち家族を犠牲にしてまで助けるつもりはない」と、あなたはおっしゃっていますよ。現時点でのお気持ちは決まっているようです。
だから『今』は、このお気持ちを大切にされていい……と私は思います。

これからお子さんも大きくなり、家計・夫婦やそれぞれの関係性・家族の居場所・ご心配されている夫さんの体調等、どうなるのかもわからないのですもの。
この先を心配しすぎず、今のご自身のお気持ちを一番に考え、大切にしてみませんか。

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