過度な「正直」「まっすぐ」「真面目」は生きづらさを生む【連載:輝く50代に向けて…30~40代でやっておきたいこと】
- 1972年生まれ。『サンキュ!』創刊時(1996年)以来のカリスマ的人気読者。エッセイ集など著書を相次いで刊行したのち心理学を学び、現在はフリーランスの心理カウンセラーとして活動。『サンキュ!』では2007年から現在まで14年余りブログとエッセイを執筆。2021年10月より新連載「愉しくオバさんを生きていく。」をスタート(毎週月曜日午前9時更新)。趣味は旅行・ドライブ・ゴルフ・読書・スマホゲーム・お酒を飲むこと(1人で晩酌するのも大好き!)。もっと見る>>
こんにちは。生活・美容・子育て・人間関係などについて、40代後半の気づきをリアルに書いているカウンセラー/エッセイストの若松美穂です。【24歳】と【19歳】の娘たちの子育てと、心の勉強から学んだこと、お客様とのお話を通して感じたことを書いております。
今ならわかる 若い時の特権!!
人それぞれだとは思うのですが、年齢を重ねるにつれ、○○の方が楽なのかもしれない、○○は減らしたほうが生きやすいのだろうと感じるようになってきました。その、減らした方が良いだろうことが「正直」「まっすぐ」「真面目」であること。どれも、若い時には賞賛されるようなことでしたよね。でも、歳を重ねると邪魔になることがある。トラブルのもとにもなる。
もしかしてこれは、若い頃の特権だったのかしら?と感じたりもします。
正直さと素直であることは違う
メンタルを成長させようと思う場合や思考に変化を加える時、『素直であること』は大切なことだと思っています。人の意見や考えに「裏があるのでは?」と勘繰ったり、ひねくれたり、否定的な取り方をせず、「あゝ、そういう考え方もあるのか」と受け止めることができるからです。でも、正直とは、少し違うような気がするのです。
言わない・言葉を丸くする・言い方を変える術を持つ
例えば私たちが、心(頭)の中で思ったマイナスのことを、なんでも正直に口に出したらどうでしょう。トラブルになりかねない。「若いから……」で済む時期もあるけれど、経験を積むことで、“言わない・言葉を丸くする・言い方を変える”術も持った大人になりたいものです。「まっすぐさ」も、やや似ています。直球だけよりは、カーブやフォーク、落ちる球、スローボールも持ったうえで、状況に合わせ、使いこなせる人になれたらずいぶん楽になる。
真面目がマイナスに働く時もある
最後のひとつ、「真面目」であることの何がいけないの?と思われるかもしれません。もちろん、真面目のすべてがマイナスなのではありません。時に、真面目さに救われることがあるように、「正直」も「まっすぐ」も100:0で、【良い:悪い】【善:悪】【正しい:間違っている】と言えるものではないからです。
柔軟さが 自分や周囲を救う
ただ、どうにもならないことに向かい合ったとき、真面目さだけが前面にでると、辛く・苦しくなる。「こうでなくてはいけない」と凝り固まった思考になり、周囲や自分自身を追いつめる場合があるのです。ときには、「まっ、いいか」「そういうこともあるよね」「仕方がない」「あきらめよう」「待ってみるか」と柔軟さを優先することで、自分や周囲を救うことがあるということを、知っていて損はないと思うのです。
この記事を書いたのは……若松美穂
心理カウンセラー・カラーセラピスト・エッセイストとして活動。
心理学講座やカウンセリング・カラーセラピー・お茶会という名のおしゃべり会を全国各地で開催中。大学生と社会人の姉妹を持ち、子育てにひと段落した今だからこその情報を発信しています。