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「価値感を押しつけないで」に感じる違和感【連載:輝く50代に向けて…30~40代でやっておきたいこと】

2020/11/02
  • 1972年生まれ。『サンキュ!』創刊時(1996年)以来のカリスマ的人気読者。エッセイ集など著書を相次いで刊行したのち心理学を学び、現在はフリーランスの心理カウンセラーとして活動。『サンキュ!』では2007年から現在まで14年余りブログとエッセイを執筆。2021年10月より新連載「愉しくオバさんを生きていく。」をスタート(毎週月曜日午前9時更新)。趣味は旅行・ドライブ・ゴルフ・読書・スマホゲーム・お酒を飲むこと(1人で晩酌するのも大好き!)。もっと見る>>

 こんにちは。生活・美容・子育て・人間関係などについて、40代後半の気づきをリアルに書いているカウンセラー/エッセイストの若松美穂です。【23歳】と【19歳】の娘たちの子育てと、心の勉強から学んだこと、お客様とのお話を通して感じたことを書いております。

そもそも価値観はみな違う

 価値観って、似たような人はいても、全く同じ人を探すのは難しい。というか、そんな人いるかしら?私には仲のいい友人が何人かおりますけれど、すべて自分と同じ方は一人としていない。楽しみ方、大切なもの、金銭感覚、時間の使い方、家族への思いや対応。「理解できる」「似ている」もありますし、「ここは全く違う」と感じることも。でもそこが、面白くもあります。新鮮で、自分にはない感覚や経験・思考の仕方を教えてもらい、楽しくて興味深いと思っています。

価値観を押し付けないで!?

 最近時々耳にするのが、SNSでの発信や、どなたかの発言に関して、「価値観を押し付けないで」という言葉。ん~、どうなんでしょう。私は、ちょっとした違和感を感じることがあります。もちろん、あえて傷つけようとする嫌がらせや中傷はもってのほかですよね。
 ただ「私はこう思う」「こう感じる」「こう考える」は、一つの意見・一つ考え方なので、それを受け取るか、受け取らないかは受け取り手の自由でもあります。

ゲイの虹の横断歩道を歩く足。
Beli_photos/gettyimages

心の中での選択権や拒否権を行使してみる

 私たちには誰にも邪魔されることのない、『自分の心の中での選択権や拒否権』があります。その選択権をご自分の中で大いに発揮し、心の中で拒否すればいいと思うのです。ある人の”私はこう思う”を押し付けられたと感じた場合、自分はその意見を受け取りたくない、自分は違うというサインでもあるのでしょう。自らが発せられるサインは大切にし、その後、見ざる・言わざる・聞かざるを貫ぬくことは可能です。すでに見た、聞いてしまったのであれば、「私はそう思わないな……」と、心の中で自由に反論してみるという方法もあります。

『自分の心の中での選択権や拒否権』のワケ

 『自分の心の中での選択権や拒否権』と言ったのにはワケがあります。選択権はまだしも、拒否権を自分の心の中だけで使うのか、実際に発言・発信するのかは大きく異なります。
 職場や地域、習い事や仲間・仲良くしたい人に「価値観を押しつけないで(下さい)」と伝えたら、人との距離が大きく開いたり、人間関係が壊れることがあります。それを口にしたり態度に表したことで、あなたの立場や地位に、予想外の影響が出ることもあるのです。

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sashimi/gettyimages

 ということは、「価値観を押し付けないで」も、一つの意見や考え方でしょう?だから、あなた(若松)もここに書かずに、心の中だけですればいいのではないですか?
 もう、ほんとその通り!!それもまた、私とは異なる貴重な一つの意見や考えなのですから。




この記事を書いたのは……若松美穂

心理カウンセラー・カラーセラピスト・エッセイストとして活動。
心理学講座やカウンセリング・カラーセラピー・お茶会という名のおしゃべり会を全国各地で開催中。大学生と社会人の姉妹を持ち、子育てに一段落した今だからこそ発信できる家事・育児に役立つ情報を発信しています。



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