肩が痛い!四十肩?そんなとき、肩ではなくて〇〇を動かすのが改善のコツ
ふとした瞬間に肩が痛い!そんなお悩みを解決するサンキュ!STYLEライターで、理学療法士のみかんです。
よく聞くのは、服の着替えやトイレでズボンを引き上げるとき、高い戸棚に手を伸ばしたとき、カーテンを開け閉めするときに「イタッ!」、そんなことないですか?
これって四十肩?
動かさないと固まっちゃうの?
そんなふうに不安になるかもしれません。
「動かした時に肩が痛い」という時に、やっていいことと悪いことをお伝えしますね。
痛いという感覚は体のSOS
肩に痛みがある、なんということは、肩の筋肉や靭帯などの組織に「炎症」が起こっている可能性があります。
そんなときに「固まっちゃうから」と無理に動かそうとする人がいますが、ちょっと待って!
痛いところを無理に動かすと炎症が悪化してしまい、何にもしていなくても痛い、腕が更に上がらなくなった、夜痛くて眠れない、なんてことになる可能性も。
どこの関節の痛みでもそうですが、痛みのあるところは無理に動かさない、が原則です。
肩をいたわるには?
痛みを悪化させない方がいい理由に、「防御性筋収縮が起こるから」というものがあります。
これは何かというと、筋肉や靭帯、関節などの組織に損傷があるなどで、痛みが起こると、体は勝手に守ろうとして筋肉を固くさせるんです。
なので、「肩が固まってしまうから痛くても無理に動かす」というのが、逆効果になりやすいんですね。
炎症や痛みがどんどん悪化すれば、筋肉はどんどん固くなってしまうから。
一番いい方法は炎症を落ち着けること。
病院に受診すると、消炎鎮痛剤や貼り薬、注射などで治療します。
あとは、炎症を起こしている部位の回復を促すこと。
つまり、無理して動かさないということです。
でも、このままだと固くなっちゃう、と心配になりますよね?
改善のコツのひとつは、痛くない範囲で動かすということ。
もうひとつは、肩の動きに関わっている場所をよく動かすということです。
実は、肩を動かすにはいろんな関節が関わっていて、肩を動かすだけでは不十分なんです。
肩を動かすために一緒に動いている場所は、鎖骨、肋骨、背骨、肩甲骨です。
肩が痛くて動かせなくても、鎖骨や肩甲骨を動かす、体幹を動かす、大きく呼吸をする、それだけでも肩の動きをよくしてくれます。
また、リラックスして歩くことも効果的。
自然な腕の振りが、肩〜体幹の余分な筋肉の緊張を和らげてくれるからです。
いつまでも元気に動ける体に
最後に、関節の痛みを予防する考え方をお話しします。
ぶつけた、転んだ、といった何かキッカケがある場合は別として、関節のトラブルにつながりやすいのは、筋肉のアンバランスなんです。
例えば、体には弱くなりやすい筋肉があって、使えなくなってくると他の強い筋肉を代わりに使って動作するようになります。
それが続くと、代わりに頑張っていた筋肉が頑張りきれなくなって痛みを起こしたり、筋肉で支えられなくなると関節への負荷が強まり、関節の変形につながったりします。
背骨の関節の変形が神経に及ぶと、痛みや痺れ、筋力低下につながり、悪循環。
そうならないためには、日頃から弱くなりやすい筋肉を鍛えておく必要があります。
そんな心がけが、いつまでも元気に動ける体をつくります。
弱くなりやすい筋肉の代表は、姿勢を支える体幹と骨盤周辺の筋肉。
インナーユニットと呼ばれる、腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群は、日頃から意識していると関節のトラブル予防になります。
例えば、何か普段からやっているエクササイズがある人は、そのエクササイズをするときに「お腹を凹ませながら息を吐く」ようにしてやってみてください。
特にエクササイズをする習慣がない人は、お皿洗いのとき、歯磨きするとき、電車やバスで立っているとき、そんなふとした時間に「お腹を凹ませながら、息をしっかり吐くことを意識して姿勢を保ち続ける」ことをしてみてください。
そして、その時は肩の力を抜きましょう。
体幹が安定していると、手足の余計な力が抜けるようになってきます。
そんなふうに、たまにはご自分の体と向き合い、いたわる時間を持てるといいですよね。
◆ この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターのみかん。姿勢やバランスなど動作の専門家である理学療法士で、3人の男の子のママです。心地よいからだづくりをサポートします。自身が苦手だった「管理」の仕組みづくりや「手放す」コツも発信中です。