【ニュースが分かる金融教室4】物価上昇で打撃!実質金利を学ぼう④完全版

2022/11/22
  • 贅沢気分を味わえる新しい節約術を提案する、元証券会社、現不動産会社勤務の資産運用大好き主婦 もっと見る>>

こんにちは。元証券会社勤務、外資系を経て不動産会社勤務、現在育休中のサンキュ!STYLEライターこまちです。

4回に渡ってお届けしました実質金利のお話ですが、今回が最終回です。
これまでの記事はこちらから↓

これまでのおさらい

これまでのお話を簡単におさらいです。

<実質金利とは>
「名目金利(銀行等の店頭のポスターで見かける定期預金等の金利)ー 物価上昇率」

<物価上昇率とは>
総務省が消費者物価指数を毎月公表しています。2022年11月18日公表分では、前年同月比、総合で3.7%の上昇となっています。

我々の普段の生活に落とし込んで考えた場合、

「銀行に預けて付与される金利の金額と、小麦粉やマヨネーズ、コーヒーや乳製品などの値上がり分の金額を比較したら、どっちが高いですか?」

ということを考えてみてください、というのが私の主張です。

計算上、理論上では、銀行に預けているだけでは資産は目減りしていく一方ですから、資産運用や投資は一つの有効な手段なのではないでしょうか。

金利と消費の関係を知っておこう

そもそも今は何故、こんなにも低金利なのでしょうか。

よく祖父母の世代のお客様から、昔は郵便局に預けているだけで倍になったんだよ!金利が8%だったんだよ!なんて話を聞きます。

この低金利の問題を、実質金利の側面から考えてみましょう。

例えば、ブランドの腕時計が欲しいとします。あなたは100万円を持っていて、その腕時計も100万円です。

<実質金利がプラスのとき>
こまち銀行の1年定期預金金利が5%で、物価上昇率が0%だとすれば、実質金利は5%になります。
この場合、1年間預金しておけば、資金は105万円になりますし、腕時計は100万円のままです。
腕時計を買っても手元資金はプラス5万円ですから、預金する方が有利ですよね。
ですからこういった状況下では、消費よりも預金に資金を回す人が増えると考えられます。
物価上昇率が3%だとしても、実質金利はプラスになるので、お金を貯めていた方が良いのかなと思う人は増えそうです。

<実質金利がマイナスのとき>
こまち銀行の1年定期預金金利が0.20%で、物価上昇率が3.7%だとすると、実質金利は"-3.5%"です。
この場合、1年間預金すると、資金は1,002,000円で、腕時計は1,037,000円です。
腕時計を買うと、1年前と比較した場合、”3.5万円損をした”という計算になります。
ですので、こうなってくると、預金よりも消費を選ぶ人が多くなると考えられます。

まあ実際問題、この計算の通りになっているのかというと、こんなに預金金利が高かった時代に生きていないので、あんまり実感ってないんですよね。ですが、一応、理論上はこんな感じです。

金利が分かると世界の動きも分かってくる

政府が金利を上げたり下げたりする理由が、なんとなく分かりましたかね?

消費を促進させたい時には金利を下げ、抑えたい時には金利を上げたりして、調整を図ります。

もちろん金利だけでは経済の調整はできません。要因は様々です。でも、大きな基準となっていることに違いはありません。

金利と経済の関係を知ると、ニュースがもっとわかるようになります。
是非お役立てください。

▼▼▼記事を書いたのは・・・こまち
証券会社出身の育休中新人母。外資系企業人事部、不動産会社に勤務。都心駅近に新築一戸建てを保有。ケチケチ節約が苦手なので、”お金と仲良く過ごす”ことを大切にしています。

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