「一雨一度」 家事を効率化する天気の法則を気象予報士が解説!

2022/11/11
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

気温のアップダウンが大きい秋の天候。その鍵を握る法則の一つが「一雨一度(ひとあめいちど)」です。
これを知っていると、今のうちに早めにやりたい家事と、多少後回しにしてもいい家事とを分類するのがぐんと楽になります。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、日々の生活に役立てたい天気の法則を解説します。

雨の翌日は注意!「一雨一度」

秋は雨が降るたびに季節が進んで、寒くなっていきます。
これを「まるで一回雨が降るごとに一度気温が下がるようだ」ということで昔の人が「一雨一度(ひとあめいちど)」と呼ぶようになりました。
しかも実際には一度ではなくもっと大幅に気温が下がることが多く、今の時期、雨の翌日は冷え込みに注意。
天気予報で雨マークを見たり、実際に雨が降ってきたら、翌日の寒さに備えてこれまでよりも一段階暖かい防寒を用意するのがおすすめです。

どうして雨のあと寒くなるの?

雨が降るということは、低気圧が日本列島を通過するわけですが、低気圧周辺では反時計回りの風が吹いているため、必然的に通過前は南風、通過後は北風になります。
このため、雨の直前には一時的に気温が上がるものの、雨が上がると一気に冷えてくるというわけです。
(さらに付け加えると、天気が回復することで夜間の放射冷却が強まり冷え込みが強まります。)
そして、これからの時期は低気圧前面の暖気(南風)よりも後面の寒気(北風)の方が強まるため、一度雨が降るごとにガクッと気温が下がっていくことになります。

低気圧周辺の反時計回りの風の影響で、通過前は南風(暖気)、通過後は北風(寒気)が日本付近に流れ込む(作画:植松愛実)

ちなみに、基本的に日本へは低気圧と高気圧が交互にやってくるため、雨(低気圧)の後は高気圧が日本列島に近づいてきます。
つまり西に高気圧、東に低気圧の「西高東低」冬型の気圧配置です。
これは日本列島に寒気が流れ込みやすい配置。
冬型になるときは日本海側で雨がぱらついたり雪がちらついたりして「時雨」模様になることが多く、この先さらに季節が進むと雪が積もるようになります。

秋が深まるとともに、高気圧はシベリア気団の強い寒気を日本へ運び込むようになる(作画:植松愛実)

「一雨一度」を基準にやるべき家事を分類!

冷え込んだタイミングでやりたくないのが、水を使う掃除。
特にこれからの時期は年末の大掃除に向けて、換気扇や窓・ベランダ周りの掃除をコツコツやる人もいると思いますが、もし雨の翌日にやってしまうと冷え込みのタイミングとかぶって、手がかじかんで辛いことに…。
あらかじめ週間予報を確認し、水を使う掃除は雨の前にやっておくことにして、雨の後にはドライシートで拭けばよい場所(天井や壁など)をやるのが良さそうです。
また、布団や着物などを虫干しする際、同じように晴れて湿度の低い日でも、少しでも気温が高い方が効果的なので、雨の後の晴れよりも雨の前の晴れの日にやっておくのがおすすめです。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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