日々の食事で気軽にちょっとずつ!薬膳パワーで暑さに備える体づくり

2023/05/29
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

毎年暑い時期はなんとなく体がだるくなったり、調子を崩したりして、仕事や家事が進まなくて憂鬱…そんな人におすすめなのが、薬膳の力を借りて今から始める「体づくり」。
薬膳と言っても特別な食材は一切必要ありません。
スーパーで簡単に手に入る食材を日々少しずつ取り入れることで暑さに備えた体づくりをするアイデアを、薬膳マイスターの資格を持つ筆者が解説します!

小さてもパワフル!「気を補う」豆類

豆類の食材は薬膳の考え方で「気を補うもの」とされています。
「気」と聞くとまるで太極拳か何かの話に聞こえますが、「気を補う」というのは現代の科学に即して言うと、疲労回復能力や免疫力を高めることに当たります。

豆腐や納豆、味噌などの大豆製品はもちろん、これから気温が高くなるとともに美味しくなっていく枝豆やいんげんもおすすめ。
枝豆は最近、冷凍食品で品質の良いものが手頃な値段で出回っているので、冷凍で買って日々少しずつ使うのもいいですね。
1粒1粒は小さくても、暑さに打ち勝つための栄養がぎゅっと詰まっています!

冷凍枝豆なら少量ずつ使えるので、気軽にごはんに混ぜて食べることもできる。

内臓から土台づくり!「胃腸の働きを高める」じゃがいも・かぼちゃ

じゃがいもやかぼちゃといったホクホク系の食材は、薬膳では「脾(ひ)を助ける」と考えられています。
「脾」は現代科学で言うところの脾臓という臓器ではなく消化器系一般を指し、暑さで弱りやすい胃腸の働きを高めてくれる食材です。

かぼちゃの煮物は日持ちする上に冷やしても美味しいので季節問わず食べやすい。

なお、かぼちゃは「温性」と呼ばれるタイプの食材で体を温める働きをあわせ持っているため、もともと体がほてりやすい体質の人は食べ過ぎないよう気をつけましょう。
じゃがいもは体質によらず使える便利な食材です。

ポテトサラダに動物性たんぱく質を含む海老やしらすや卵を入れるのもおすすめ。特に海老は古くから薬膳で滋養強壮に使われてきた食材。

精神面も重要!「心を整える」卵・ちんげん菜・ナッツ類

夏バテ防止のためには精神面も整えていきたいところ。
薬膳で精神に関係する食材は、「安神」や「養心」、そして「健脳」といった言葉で表現されます。
いずれも読んで字のごとく、精神を落ち着かせ脳の本来の働きを助ける食材で、主に卵、ちんげん菜、ナッツ類が挙げられます。

ナッツ類に当たるものは、じつは古い薬膳の本を紐解くと「蓮の実」がおすすめされていることが多いのですが、日本のスーパーではなかなか蓮の実は売っていないので、簡単に手に入るミックスナッツ(アーモンドやカシューナッツなど)でOK。
サラダに入れたり、炒める系のお肉料理に少し加えたり(洋風でも中華風でも合います)、毎日ちょっとずつ取り入れやすい食材なのでおすすめです!

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

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