パプリカ

【旬食材】パプリカは色ごとに味も栄養も違うって知ってた?国産の旬を堪能するコツを野菜ソムリエが解説

2024/06/05
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

ふだんは輸入ものが中心だけど、初夏から夏本番にかけては国産が多く出回るパプリカ。
黄色やオレンジ、赤など複数の色がありますが、何色を買うかどうやって決めていますか?つくる料理の見た目か、あるいは好みでしょうか。

じつはパプリカは色ごとに、味も栄養も違います。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、国産パプリカの季節をめいっぱい味わうためのコツを解説します!

βカロテンがたっぷり!赤パプリカ

料理
赤パプリカと豚肉の粒マスタード炒め。βカロテンは油と一緒に取ると吸収が良くなる。

赤色があざやかな赤パプリカは、唐辛子にも含まれるカプサンチンや、にんじんなどオレンジ色の野菜に含まれるβカロテンが豊富。
とくにβカロテンはほかの色と比べてダントツで多く含まれています。

カプサンチンは抗酸化作用のある物質で、新陳代謝も高めてくれるためダイエットの味方でもあります。
そしてβカロテンは肌や目の粘膜を守ってくれる物質なので、紫外線が気になる時期にぴったりです。

また赤パプリカは、パプリカのなかではもっとも糖度が高い種類です。
甘味が強いパプリカが好きな場合は、赤がおすすめです。

甘味と酸味のバランス!黄パプリカ

料理
黄パプリカとにんじん・セロリ・玉ねぎのマリネ。フルーティーな風味がマリネにぴったり。

黄パプリカには、赤パプリカほどではないものの、やはりβカロテンが含まれているほか、ルテインという抗酸化物質も含まれています。
ルテインは目の健康維持に役立つほか、紫外線や酸化のダメージから肌を守ってくれる働きもあります。

また、黄パプリカはもっともフルーティーな味わいのパプリカ。
甘味と酸味のバランスがよく、さわやかな風味のパプリカです。

いいどこどり!オレンジパプリカ

料理
オレンジパプリカと牛肉・玉ねぎ・ズッキーニのプルコギ風。オレンジパプリカは主張が強くないので具材の種類が多い料理にもあわせやすい。

オレンジ色のパプリカは、色ももちろん赤と黄色の中間ですが、栄養素の面でもちょうど赤と黄色の中間ぐらいの成分が含まれています。
味わいも中間ぐらいで、マイルドな印象です。

通常のスーパーで1個ずつ売っている際は赤と黄色しか店頭にない場合もありますが、筆者が都内のスーパーで探した際は、やや小ぶりのパプリカ2個入りの商品があり、赤・黄の組み合わせや黄・オレンジの組み合わせなど、オレンジも含めて選べるようになっていました。
どんな料理にもあわせやすいので、赤・黄・オレンジの3色が店頭にあって迷った際はオレンジがおすすめです。

紫、白、黒…何種類見たことある?

一般的なスーパーで手に入りやすいのは上記の赤・黄・オレンジですが、パプリカはほかにも紫や白、黒、茶色、そして緑もあります。
緑ならピーマンと同じでは?と思われるかもしれませんが、パプリカはそもそも一般的なピーマンとは異なる「カラーピーマン」と呼ばれる仲間で、ピーマンよりも肉厚で苦味が少なく、色が同じでも味わいはまったく違うのです。

国産パプリカの旬を迎えるこれからの時期は、スーパーでもみずみずしい国産が手に入りますし、道の駅や産地直売所ではめずらしい色に出会えることもあります。
ぜひ色ごとの違いを楽しんで、国産パプリカの季節を堪能してください。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

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