車内での熱中症原因は暑さだけじゃない!見落としがちなポイントを気象予報士が解説
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
車内で熱中症…と聞くと、エアコンを切った車内に子どもやお年寄りを置き去りにしたパターンを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし実際には、運転中、まさにエアコンを使用しながらでも、「隠れ脱水」と呼ばれるタイプの熱中症になってしまっていることがあります。
しかもこのタイプの熱中症、原因は暑さだけではないのでやっかいです。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、車内で熱中症になりやすい理由と避けるためのポイントを解説します!
日ざしの影響は「車内温度を上げる」だけではない!
夏のドライブ中、日光によって車内の温度が上がり、そのせいで暑く感じる…そう思っている人も多いかもしれません。
ところが日光の持つ熱には、そんな回りくどいことをしなくても、直接人の体を熱くする働きがあります。
専門的には「輻射熱(ふくしゃねつ)」と言い、太陽のように高温の物体は、離れた場所から他の物体を直接温めることができるのです。
つまり、カーエアコンの車内温度表示が低めの数字を表示していても、体はそれ以上の熱にさらされているおそれがあります。
温度を下げようとするほど「乾燥」する車内
車内での熱中症を防ぐためにはエアコンは不可欠ですが、エアコンで涼しくなればなるほど車内の湿度は着実に下がっていきます。
乾燥した環境では肌や粘膜から水分が失われ、いわゆる「隠れ脱水」と呼ばれる脱水状態になりやすい傾向が…。
脱水状態はそれ自体が危険なだけでなく、水分が足りない状態では体温調節がうまくいかなくなり、体の深部まで温度が上がってしまう危険すらあります。
水分補給をするのはもちろん、ときどき窓を開けたり、エアコンの設定を一時的に「外気導入」にするなど、車内の湿度が下がりすぎないように気をつけましょう。
水を飲む頻度は「無意識に」減る
熱中症対策の基本は、水分を取ること…そんなの知っているよ!という人は多いと思いますが、車での移動中は無意識に水を飲む頻度が下がります。
車内ではカーナビやスマホに集中して水分補給を忘れる人も多いですし、トイレに行きたくなるのが嫌で水を飲みたくないと無意識に思ってしまう人もいます。
これはもう「気をつける」だけではなかなか防げないので、水分補給のタイミングを決めてスマホのアラームをセットしたり、タイムマーカー付きボトルを水筒代わりにしたりして、便利なツールの力も借りるのがおすすめ。
また、利尿作用のあるコーヒーや緑茶は避けて、水や麦茶を選ぶようにしましょう。
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。