今日は夕立があるかも?気象予報士が洗濯物を外に干さない日の共通点
- 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>
朝の段階では全然雨が降りそうな雰囲気じゃなかったのに、午後になって突然雨が降り始める…。
そんな「夕立」や「ゲリラ豪雨」と呼ばれるタイプの雨に悩まされる人も多いのでは。
もし朝の段階で、「今日は降りそうだな」とわかれば便利ですよね。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、「こんな日は洗濯物を外干ししない!」という日の共通点を教えます!
暑いだけじゃなく「蒸し暑い」
夕立のような突然の激しい雨が降るためには、強い上昇気流によって雨雲が急速に発達する必要があります。
ではその上昇気流はどうやって起こるかというと、地面付近の空気が高温であることがカギになります。
というのも、高温の空気は軽いので、上昇しやすいという性質があるから。
つまり突然の夕立のためには、「暑い」ことが必要です。
ただ、単に「暑い」だけでは足りません。
なぜなら、空気が上昇して雨雲が発達するためには、その空気が「湿っている」必要があるから。
そのため、「暑い」+「湿っている」、つまり「蒸し暑い」日は夕立やゲリラ豪雨になりやすい日ということになります。
今日は気温のわりに湿度が高くて不快だなと感じたり、青空が白っぽく見えたりするとき(白っぽい空は水蒸気が多い証拠です)は、突然の雨に要注意です。
天気予報にあるキーワードが出てくる
突然の雨になりやすい日には、天気予報に特定のワードが出てきやすい傾向にあります。
「上空の寒気」や「暖かく湿った空気」、そして「不安定」や「局地的」といったワードです。
「上空の寒気」は雨雲の急速な発達を助けますし、「暖かく湿った空気」は先述の「蒸し暑い」状況を作り出します。
また、「不安定」というのは上昇気流が起きやすい状況を指しています。
「局地的」というのは少し難しいですが、通常の雨が降るときというのは関東地方全体とか近畿地方全体で降るのに対して、ゲリラ豪雨タイプの雨はごく狭い範囲で降る傾向にあります。
つまり、「今日の雨は『局地的』な雨ですよ」と言われたら、ゲリラ豪雨タイプだなと予想できるのです。
ここまで来たら最終段階!
前項までは、あらかじめ朝の段階で夕立やゲリラ豪雨を予想するためのポイントを見てきましたが、「あと30分か1時間もしないうちに降りだす」という最終段階のサインは、自分の「目」や「耳」や「肌」でつかむことになります。
たとえば、黒に近いような濃い灰色の雲を目撃したとき。
雲の色は太陽の光をどのくらい通すかで決まってきますが、分厚い雲ほど光を通さず灰色が濃くなっていきます。
つまり黒に近いような色の雲は非常に分厚く発達していて、間もなく雨を降らせ始めるというこどです。
そして、雷の音を聞いたとき。
雷鳴はだいたい10キロ先まで聞こえますが、大きな雨雲だと幅が10キロ以上あるので、音が聞こえた時点で自分がすでに雨雲の下に入ってしまっているおそれがあります。
さらには、ひゅぅっと冷たい風を感じたとき。
朝から蒸し暑かったはずなのに、なぜか急にひんやりした空気の流れを感じる…そんなときは、ゲリラ豪雨までもう秒読みです。
このほかに、最近ではネットで「雨雲レーダー」と検索すれば自分の近くに雨雲があるかどうかを確認することができます。
五感と情報をフル活用して、「想定外の雨」を「想定内の雨」にしてしまいましょう!
■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。