ひつじ雲といわし雲の違いは親指でわかる!家事に役立つ観天望気を気象予報士が解説

2022/11/18
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

ひつじ雲やいわし雲が空にポコポコと浮いていると、「秋だな~」と感じますね。
ところで、ひつじ雲といわし雲の違いをご存知でしょうか。
これを知っていると天気の流れを見通すことができ、毎日細かく天気予報をチェックする暇がない時でも効率よく用事や家事の順序を考えることができます。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、指1本でわかる雲の見分け方をご紹介します!

夏の間は積乱雲のように背の高い雲が空を覆っていたのが秋になると現れなくなり、空の高いところまで見渡せるようになるため、ひつじ雲(写真左)やいわし雲(写真右)がよく見える。

親指をぐっと空に突き出してみよう

丸っこい雲が大群をなすように空に広がる、ひつじ雲やいわし雲。
「イワシにしては大きいかな?いやでもヒツジにしては小さいかも?」……そんなときは、空に向かって親指を突き出してみてください。
雲1つ分の大きさが親指の爪より大きければひつじ雲、小さければいわし雲です。
「え、そんなに簡単だったの!?」と思うかもしれませんね。

ひつじ雲といわし雲の違いはそもそも、「雲ができる高さ」です。
ひつじ雲はだいたい地上から数キロ~5キロ程度の高さ、一方でいわし雲は高度10キロくらいのかなり高いところにできます。
その結果、地上にいる私たちから見ると、より近くにある高積雲は比較的大きく、より遠くにある巻積雲は小さく見えるというわけです。
ちなみにひつじ雲は気象用語では「高積雲(こうせきうん)」、いわし雲(うろこ雲とも)は「巻積雲(けんせきうん)」と言います。

いわし雲がひつじ雲になったら…?

もし、前日にいわし雲が見えていたのに当日ひつじ雲が浮かんでいたら……、
翌日は雨になる可能性が高いです。
というのも、ひつじ雲の方が低い位置にできる雲であり、低い位置に雲ができるということは、湿った空気が地上に近いところまでやってきているということだからです。

このように空や雲の様子をよく見ることで天気を予想することを「観天望気」と言います。
「そんな単純な話で本当に天気がわかるの?」と思われるかもしれませんが、これでだいたい7割くらいは当たります。
気象庁の天気予報の的中率が約85%ですのでもちろんそれには劣りますが、忙しくて天気予報を毎日チェックする時間がない!というときにはかなり便利です。

また、以前の記事で「秋は雨のあとに一段と寒くなる」という法則をご紹介しましたが、この「いわし雲→ひつじ雲」の法則を合わせて使うと、天気だけでなく気温の見通しも把握することができて、大掃除のスケジュールや防寒具を出す時期を考えるときにも役立ちそうです。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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