【子供に読書習慣を】親がすべき事・できる事3
主婦の身近な話題なら何でも書く、サンキュ!STYLEライターの山名美穂です。
「【子供に読書習慣を】親がすべき事・できる事」と題して、1回・2回と書いてきました。
今回は最終回「子供の読書が習慣化した、その後」について書きます。
あくまでも「わが家の話」ですが、よかったらお読みください。
毎日の読書で成績は上がったのか?
はっきりとは分かりません。
肝心の答えが出ず申し訳ないです。
通知表などの結果だけで言えば、読解力に関しては「上昇した」印象を受けます。
ただ、現在の学力を「本を読んでこなかった場合」と比較ができないので、一様に読書で成績が上がるとは言えません。
わが子にも、今後必ずアップダウンはあるでしょうし、「本を読めば右肩上がり」と思うのは安直ですよね。
ちなみに、子供に直接「読書の効果を感じる事があるか?」ヒアリングしたところ、
「分からない」
との事でした。
どこまでもすみません。
文章読解への苦手意識は減少
とはいえ、国語の文章題への苦手意識は薄らいだように思います。
今は子供自身も、「不得手」ではなく「面倒」という感想のようです。
「嫌い・苦手」が「まぁ、好きじゃないけどさ……」になったなら、彼の気持ちにも少し余裕ができたという事ではないでしょうか。
読んだ物語がテストに出た
小学生が無料で受けられる全国テストがあります。
当然、初見の問題を解くのですが、一度「本で読んだ話が国語のテストで出た」事があります。
学校外のテストなので、通知表には反映されませんが、今後も同じことが起こる可能性を考えると、読書量が多い方が勉強面で有利だと思います。
学力面以外でいい事あった?
学力面以外で、読書の効果を感じられた点を、いくつか挙げます。
以下も、必ずしも読書習慣のおかげと断言できるものではありせんが、ひとりの母親の、体感的な話としてお読みください。
語彙が増えた・話すのが上手になった
ここ1年くらいで、話す時に使う単語が急に増えたように思います。
順序だてて説明するのも上手になった。
実際、読書の効果を実感するのは、子供と話している時です。
読書体験を通して成長していく姿を見ていると、最初の「学力を向上させたい」野望は薄らいでいきます。
知識が増えた
子供は本からたくさんの知識を得ます。
戦争についてだったり、外国の文化だったり。
自分の学校にはないけど、「一般的に音楽室には作曲家の肖像画が貼ってある」事も本で知ったようです。
知識が視野を広げる
児童書には、ケンカやいじめ、家庭環境、貧困などのトピックが頻出します。
子供が、それらのエピソードと、自身の日常生活を重ねて考えているように見える時があります。
登場人物が自分の気持ちを代弁してくれる事もあれば、全く未知の立場から、自分とは違う考えを教えてくれる事も多々ある。
人間(あるいは擬人化された動物や物)は様々な環境で、多様な思考と感情を持って生きている。
その知識が、日常生活での視野や考え方を広げているように感じます。
大仰かもしれませんが、「読書体験は実生活の経験値を上げる」のではないでしょうか。
内省的になった
また「自分を省みる・分析する」事も出てきました。
自身の感情的な言動の根底に、どのような思いが内在しているのか。
少し時間はかかっても、ことばで説明できるケースが増えてきました。
先日はわたしに対する八つ当たりは、「話を聞いて欲しい」気持ちからくるものだと明言。
小学校高学年に見られる、いわゆる「甘え」の認識や表現は、本当に子供によってバラバラです。
もともと冷静に自分の気持ちを言える子もいると思います。
ただ、自分の子供の「気持ちを言語化・明文化するスキル」が上昇するスピードを考えると、読書習慣が大きく関係しているのではないかと、わたしは感じます。
「読書」の勘違いと注意点
本を読んでも作文は上手にならない
読書量と文章作成能力は比例しません。
どれだけ本を読んでも、うちの子の読書感想文は一向に上達しない。
反対に、作文好きのわたしは、ほとんど本は読みません。
文字を読むことと、書くことは別。
本好きの作文下手がいるのは、音楽好きの音痴がいるのと同じです。
そこは、切り分けて考えるのがいいと思います。
他の楽しみを奪わない
筆者の子供は、少年漫画からもことばや知識を、たくさん得ています。
「読解力向上には児童書を」と1回目に書きましたが、子供が好きなら漫画も絵本も図鑑もウェルカム。
わたしは、ゲームも子供同士を繋ぐ大切なツールだと思っています。
本を読ませたいがために、他の娯楽を奪ったり過度に制限したりはしません。
最後に
本を用意したり、チェックしたり褒めたり……。
あるいは読書を定着させようと導く事自体、わたしを「過保護な親」と感じる方もいるでしょう。
しかし、まだ小学生。
「強いる」形にならなければ、物事が軌道に乗るまでは背中を支え、多少押してあげてもいいと、わたしは思うのです。
ペースを掴めばひとりで走り出すから。
読書を習慣づけるためのお話を3回に渡って書きましたが、当然一例でしかありません。
誰に言われなくても、本が大好きな子もいるし、どうがんばっても、それほど本を好きにならない子もいるでしょう。
その辺りは、お子さんを一番近くで見ている保護者の方が見極めて、工夫してあげてください。
ただひとつ言えるのは、「本を読んで損はない」。
まず親がすべき・できる事は、本を身近な存在にする事ではないでしょうか。
「子供に読書習慣を」と考えるなら、ゲーム機を隠して引き離すより、児童書を近づけて仲良くさせる事の方が大切だと、わたしは思います。
【あわせて読みたい】
*記事の内容は筆者の個人的経験談と感想によるもので、お子様の読書習慣や学力向上を確約するものではありません。
■この記事を書いたのは…山名美穂
サンキュ!STYLEライター。主婦の身近なトピックをマルチジャンルで執筆中。ウェブ記事執筆・掲載実績多数あり。ブログ・小説も書きます。文章大好き主婦。