子宮の病気とつきあってきた10年間…③回復への道のり

2020/07/02
  • 2人の食べ盛り男子の母。子育て支援の現場で働きながら手抜き&時短のごはん作りを楽しんでいます。もっと見る>>

 こんにちは(^▽^)健康が気になるお年頃…アラフィフ主婦のサンキュstyleライターのみい太です。

 子宮内膜症と診断されてから、病気とつきあいながら過ごしてきた10年間のお話です。
 今回は、情緒不安定に苦しんできた2年間を乗り越えて、回復に向かう道のりのお話をさせてください。

医療面での治療は?

医学
SB/gettyimages

 最初に子宮内膜症と診断された際、医師から示された治療法は

・病巣のみの適出
・子宮の摘出
・低用量ピルの服用

の3種類でした。

 病巣のみの摘出とは、本来あるべき場所以外に内膜組織ができていて、それによって強い生理痛などの辛い症状があらわれている場合、その原因となっている内膜組織を取り除くものです。ただ、内膜症は、超音波検査やMRI検査でも映像に映らず見つけることができないケースがあり、実際に開腹してみないとわからない…ということも。私の場合は、超音波検査では確定せず、内診と症状からの診断でした。

 子宮摘出については、その時点での説明では
「子宮摘出によって更年期症状が出てくることがあるので、あなたの症状と年齢(当時37歳)ではおすすめしません。」
とのことでした。
 ですが、後に調べてわかったのですが…卵巣を残せば、子宮をとっても更年期症状はすぐには出ない、自然に年齢に応じて発現するとのことでした。
 とはいえ、子宮摘出は全身麻酔による手術、そして1週間程度の入院を要します。また、以降妊娠ができなくなることも考えなくてはなりません。筋腫や内膜症の症状によって、手術のメリットデメリットを鑑みての判断になると思います。

 そこで、私の場合は、もうひとつの「低用量ピルの服用」をすすめられました。ホルモン治療のひとつで、女性ホルモンの分泌をゆるめ排卵を抑えることで、子宮内膜の増殖を抑える効果があるそうです。月経痛を和らげる効果もあります。
 私は最初は「ルナベル」という薬を服用していましたが、数年前に転院してから「ジェノゲスト(ディナゲスト)」という薬に変えました。
 それでも効果が表れない場合には、ホルモン剤を服用し、卵巣機能を一時的に停止させます。結果的には閉経と似た状態になります。なので、副作用として更年期症状があります。そして骨粗しょう症をも引き起こすため、長くても半年が服用の限度だそうです。
 いずれの服薬(どれも保険適用のお薬でした)も、症状を抑えることが目的なので、根治にはつながりません。私の場合は、年齢、症状の強さ、状況などを多角的に考えて、お医者さんと相談しながら治療法を決めていきました。
 

 

いちばん私を変えてくれたのは…体質改善だった。

 病気のことがわかってから、夫が熱心にいろいろ調べてくれて…整体、鍼治療、漢方医など、いろんなところに連れて行ってくれました。

 いちばんよく覚えているのが、漢方の先生に診てもらった時です。そのときは、ぐずる次男をおんぶして診察室に入ったのですが…診察後に先生から
「よくお子さんをおんぶして歩いてこられましたね!」
とびっくりされちゃいました(笑)。それほど私の身体はあちこちガタが来てたのだそう…。

 振り返れば、発症したころの私の生活は…ひどいものでした(笑)
 
 家族にはちゃんと食事を作っていたのですが、自分は家族と食べる暇がないから、おにぎりとかおかずのつまみ食いを立ったままササっとすます。でも、それではお腹がすくしストレスもたまるので、子どもが寝ているときにジャンクフードやインスタント物をドカ食い、という生活。今では考えられないぐらい、野菜をとっていませんでした…。
 
 そして、「お風呂にゆっくりつかる」ということが、ほぼありませんでした!子ども二人をとにかく交代で洗って、湯船であったまらせて、自分はと言えば…カラスの行水(笑)シャワーだけですませることが多かったし、湯上りに寒いままの格好でバタバタ子どもの世話をしてました。
 
 もうひとつ反省しているのが、「トイレが遠い」ことです。元々出産前からそうでしたが、産後は特に、忙しいときは下手すれば一日に2,3回しか行ってない!ということも。水分もあまりとらないほうでした。

 そして、いつも「睡眠不足」でした。夜は、次男が夜泣きしたり、顔を触りながら寝るというクセがあったので…添い寝していて、いつも熟睡感がなかったように思います。子どもと一緒に昼寝すればよかったのですが、子どもの昼寝時間だけが貴重な一人時間だったので…(涙)ついつい起きて、好きなものを食べたり、好きなことをしたりしてしまっていました。

 今思えば…本当に、自分の身体を粗末にしていたなあ…と反省しきりです…。

 その結果、漢方の先生に言われたのが
「『冷え』と『むくみ』がひどいですね。」
ということでした。

 その先生によると、基本的な漢方の考え方のひとつに
「人間は『気・血・水』という3つの要素から成り立っている」
という理論があるそうです。

・『気』…体をあたためたり、守ったり、新しくしたりする、身体を動かすためのエネルギー
・『血』…全身に栄養を供給しうるおす役割。特に女性は、月経・妊娠・出産といった身体の変化があり、「女性の健康は血の健康」と言われるほど、血と深いかかわりがある。精神活動の原動力でもあり、人間の思考を支えている。
・『水』…身体のうるおいをコントロールする役割。体の2/3を占める水分のうち、血液以外のもの、胃液や腸液、汗、涙、唾液などを総称して、東洋医学では「水」と呼んでいる。この「水」の働きがうまくいかないと、肌が乾燥してカサカサになったり、余分な水分が尿や汗として排出されずに体内に排泄物として残り、むくみなどの原因となる。
 

 これら「気・血・水」は、それぞれ密接にかかわりあい、そのうちひとつでもバランスを崩すと他にも影響を与えて様々な症状を引き起こす原因となると考えられています。
 そして私は…
「すべてのバランスが崩れています!」
と漢方の先生に言われてしまいました…(涙)。確かに、私の当時の生活を考えれば一目瞭然で…。

 そこで。まずは、「冷え」「むくみ」を改善し、食生活を見直すことから始めました。

 まずは、生姜をよく食べました。すりおろし生姜をお味噌汁に入れたり料理に使ったりするだけではなく、

生姜ジャムを作り、お茶に入れて飲んだりパンやヨーグルトと食べたりしました。

 生活面では、ゆっくり湯船につかることを心掛けました。子どもが寝た後、もったいないけどお湯を温めなおして、ゆっくりつかるように。

 むくみ対策として、水分をよくとるようにしました。むくみ=水太り、というイメージがありますが、実は水分が足りないことがむくみの原因となるそう。その頃お気に入りだったルイボスティーをたくさん飲むようにしました。

 何より大事だったのは、食生活を根本から見直したことだったと思います。家族のためだけでなく自分自身のためにも、素材から食事を作ることを大切にするように。特に、旬の野菜をたくさん食べることを心掛けました!
「食べ物が、そのまま自分自身の身体を作る。」
という言葉を、改めて実感させられました。

 もちろん生活習慣だけではすぐに追いつかないほど身体のバランスを崩していたので、漢方薬のお世話にもなりました。病院で処方してもらう漢方薬は保険適用なので、安く購入できました。むくみ、冷えなど、自分の気になる症状を相談すると、適した漢方薬を処方してもらえると思います。

 …こんな生活を少しずつ、少しずつ定着させていって…1年以上かかりましたが、不思議なことに身体の状態がよくなってくるのと一緒に、気持ちが前向きになっていくのがわかりました。

 それまで、悪く悪く考えて。
「自分なんかいないほうがいいんだ」
と思っていたのが、
「なんでそんなふうに考えたんだろう…?」
と、理屈ではなく、感覚で思えるようになりました。
 気持ちが前向きになってくると、いろいろやってみようと思えるようになり、仕事や活動を始めたことで
「自分が誰かの役に立てている」
と思えたことが、さらに心身の状態をよくしてくれました。

 次回は、転院のきっかけと今の状態についてお話をさせてください。


~読んでくださりありがとうございました~
**掲載の体験談は個人の感想です**

■書いたのは…サンキュ!styleライター  みい太
大食漢のダンナさんと中3&小6の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー  公式サンキュグラマー 

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