「見て見ぬふり」で困った行動を減らそう!<親子で楽になるペアレントプログラム⑪>
こんにちは~(^▽^)運動不足解消に親子でラジオ体操を始めたアラフィフ主婦、サンキュstyleライターのみい太です!
子どもの行動の見方が変わることで、親も子どももラクになる「ペアレントプログラム」のお話、11回目です!すっかり長くなってしまって申しわけありません…。あと2、3回で終わるかと思いますので(ホントかな…)おつきあいいただけたらうれしいです!
前回までは、子どもの困った行動を終わらせて好ましい行動をしてほしいとき…つまり、子どもに協力をしてほしいときは「指示」をしましょう!というお話をしてきました。
今回は、特にこれはやめてほしい!というような、子どもの困った行動が起きないようにしていくにはどうしたらいいの?というお話をさせていただきます。
困った行動、好ましくない行動って?
講座の初回に、皆さんへ
「子どものどんな行動が『好ましくない』『やめさせたい』と思いますか?」
とアンケートを取ることにしています。すると、出るわ出るわ(笑)上の図に示したように、たくさん挙がります。皆さんも「わかるわかる!」という内容ではないでしょうか。
ただ、ペアプロの実習を重ねていくと、これらの行動も少しずつ「まあいっか」と親の沸点が下がってくるのが不思議です(笑)
それでも、
「これは、子どもの成長のためにも、やめさせたい!」
という行動がありますよね。
では、そのような行動をやめさせたいとき、皆さんはどうしてますか?…と聞くと、やっぱり「怒っています…」がほとんどです。私もそうでした(笑)。
では、怒って、その後しなくなったかといえば…そのときはやめても、また繰り返してしますよね(涙)。どうしてなのでしょう?
怒ることで、その行動を強化してるのかも…。
第二回の記事でお話させていただいたのですが…。
「怒る」ということは、「ネガティブな注目」を子どもに与えているのです。子どもは、ポジティブにしろネガティブにしろ、何かしらの注目をもらえると、その行動を繰り返す、というのが「行動の強化」という行動心理学の考え方です。
では、好ましくない行動を減らすにはどうしたらいいのでしょう?
上手に見て見ぬふりをしよう!
ペアレントトレーニングの手法では、「上手に見て見ぬふりをする」ことで、好ましくない行動を減らします!
では、見て見ぬふりとは、どういうことでしょうか?
「否定的な注目を取り去って、好ましい行動が出てくるのを待つこと」
です(^▽^)
…と言うと、だいたい親御さん方は、不満げな顔になります(笑)。
「子どもを無視するなんて、ひどい!」
「無視するだけで、子どもが行動を改められるはずがない!」
「行動がエスカレートして危ないことをしても、ほっておくんですか!?」
…はい。私もそう思いました(^▽^)
では、詳しくお話させてくださいね。
まず、これは「子どもを無視する」こととは根本的に違うのです。
「子どもの『存在そのもの』ではなく、子どもの『好ましくない行動』に対して見て見ぬふりをする」
のです。
具体的に言いますと…見て見ぬふりをしていても、子どもが困っていたら、対応していいのです。そして、少しでも行動を改めたら、すかさずほめる!ほめまくる!!これは、子どもの存在から目を話していたらできません。
好ましくない行動には反応をしない、穏やかな顔(アルカイックスマイルとでもいいましょうか)と態度で自分の用事をして、子どもと目を合わせない。でも子どもの行動にはアンテナをはってすぐほめる。
これが「上手な見て見ぬふり」なんですね。
具体的にどうしたらいいの?
でも、ただ見て見ぬふりをするだけでは、確かに子どもには伝わらないのですね…。そこで、このように進めます。
具体的な流れをお話しますね。
例えば、子どもが友達のおもちゃを取る、という「好ましくない行動」をします。
それに対して、まずは
「おもちゃを返してあげよう」
という指示を出します。これは、前回までお話してきましたね。
でも、ここで
「やだね!」
と反抗したり、かんしゃくを起こしたりといった更なる「好ましくない行動」が出たとしますね。ここに対して「見て見ぬふり」を発動です!
もう親御さんから「どうしたらよいか」という指示は伝えてあるので、あとは従うまで見て見ぬふりを続けます。
たぶん、ここでお子さんによっては更なるかんしゃくを起こしたりしてエスカレートすると思うんです。なぜなら、親御さんの気を引きたいから。なので、ここで根負けしたり、親もカッとして怒っちゃったら、子どもの思うつぼ。同じことの繰り返しになってしまいます…。なので、ここはグッとガマン!お子さんが大きかったら別の部屋に行ってもいいし、マンガ読み始めたり家事をし始めたりと気を紛らわしましょう。
その結果…泣き止むとか、さらにおもちゃを返すとか、少しでも好ましい行動ができたら、すかさずほめてください!ここがとっても大事なところです。
「かんしゃくを起こす」という行動には注目をもらえなかったけど、好ましい行動をとったらうれしい注目をもらえた。…このことが好ましい行動を強化してくれるので、だんだんと「好ましくない行動」は減り、「好ましい行動」が定着していく、というわけです。
見て見ぬふりのコツ!
では、上手に見て見ぬふりをするコツをお伝えします!
・タイミング…好ましくない行動が始まったらすぐに!
少しでも反応してしまうと子どもはエスカレートします!すぐに見て見ぬふりを始めましょう。
・視線&身体の向き…子どもと目を合わせない、身体の向きごと変える。
「目が合う」というのも子どもにとっては「注目してくれた」ことになりますので…。身体ごとそっぽを向いたほうが「見ていない」アピールになりますし、何より子どもが目に入ると親御さんがやりにくいと思うので…。
・表情、言葉、感情…普通で無関心(気にしていないことを示す)
ここで怖い顔やため息をしちゃうと、反応してることになるんです。子どもは「あ、お母さん怒ってる」と思います。
かといってニコニコするのも反応になるので、「アルカイックスマイル」自然に微笑んでるぐらいもしくは無表情!そのためには、頭の中で大好きな歌を熱唱するとか昨日のドラマを再放送させるとか、意識を他に飛ばす方法を決めておくといいですね(^▽^)
あと知っておいていただきたいのですが…。
見て見ぬふりを続けていると、そのうち指示されたことを忘れちゃう子どももいますよね(笑)
そのような子には、指示を繰り返す必要がありますが…。でも、何回も指示をするとよけい意固地になってしまう子もいますよね。なので、そこはお子さんに合わせていく必要があります。
で、最後、いちばん大切なコツです!!
・ほめる準備をする…好ましい行動を意識し、切り替わるのを待つ。少しでも行動が変わったら25%ルールでほめる。
前にお話した「25%ルール」…完全にできてからほめるのではなく、ちょっとでもいい方向に変われたらそのたびにほめる、というルールです。なので、ちょっと泣き声がやんできたとか、立ち上がろうとしたとか、そこでほめてもいいのです!(お子さんによっては、タイミング速すぎると「気を引けた」と思ってまた泣き出すこともあるので、そこは試行錯誤!)
なので、お子さんが見えないところに行くのも無反応の一つなんですが、その場合も子どもの声や気配がわかる範囲で、気配が変わったらすぐに様子を確認できるように。もちろん危険な行動があったらすぐに止められるように。
そして、すかさずほめる!ことを忘れないでくださいね(^▽^)
そう!「見て見ぬふり」は「ほめるための準備」と心得よ!
そのためにも、好ましくない行動がどのように変わったらほめるか、めざすゴールをはっきりとイメージしておいてください。
あと大事なのは、ゴールへのハードルを上げ過ぎないこと!
たとえば、「指示されてもゲームをやめない」という行動を、どう変えるか?目指すのを「素直にやめる」にしましょうか?…でも、これができないから親は苦労しているわけで…(涙)現状で難しいことを目指しちゃうと、親はイライラしますよね…。
では、ゴールを「文句を言いながらでもとにかくやめれば良し」にしたらどうでしょう?文句を言ったら、見て見ぬふりをすればいいんです。「やめること」が目的なのですから、文句言おうが態度が悪かろうが、やめられさえすればいいじゃん!と思えば、ゴールが見えるので親も楽だし、ほめることもできますね。
最後にお伝えしたいことがあります!
この「見て見ぬふり」が効果的な行動は、すべてではありません。
たとえば、指しゃぶりのような感覚的な行動、どうしたらいいのかわからないからしてしまう失敗、カッとしたら友達に手を挙げてしまうというような子ども自身もコントロールできないような行動は、見て見ぬふりをしてもおさまりません。個別にそれぞれの理由に合わせて対応する必要があります。
この「見て見ぬふりをする」は、子どもがこちらの気を引きたい、アピールしたい、そんな気持ちで意図的にやっていそうな行動…泣くとかかんしゃくを起こすとか文句を言うとかですね、そのような行動にやってみてください(^▽^)
~読んでいただいてありがとうございました~
**ここでの「ペアレントプログラム」は、一般社団法人チャイルドフッドラボのペアレントプログラムに基づいてお話しています**
**掲載の体験談は個人の感想です**
**使用したスライドは、筆者作成の講座用スライドです。中のイラストは利用規約を遵守したうえで使用させていただいております**
■書いたのは…サンキュ!styleライター みい太
大食漢のダンナさんと中2&小5の食べ盛り男子を満足させるのに悪戦苦闘!教員と保育士の資格を活かして子育て支援の現場で働きながら、手抜き&時短をモットーに日々のごはん作りを楽しんでいます。
元サンキュ!トップブロガー 公式サンキュグラマー
元小学校▪特別支援学校教員 保育士
早期発達支援士
ペアレントプログラムリーダー