3月はライオンと羊!?慌ただしい時期の天候の注意点を気象予報士が解説!

2023/03/03
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

寒さと雪に耐え続けた冬がようやく終わり、いよいよ春本番へと向かう3月。
ようやくほっとできる天候に……と思いきや、実は油断ならない変化が待ち受けているのが3月なのです。
今回は、気象予報士と料理人の2足のわらじを履くライター・植松愛実が、今の時期だからこそ気を付けたいポイントを解説します!

3月はライオンのように訪れ、羊のように去る

イギリスのことわざに

3月はライオンのように訪れ、羊のように去る

というものがあります。

「ライオン」は嵐のような激しい雨・風や激しい気温変化を、そして「羊」は穏やかな陽気をそれぞれ喩えたもの。
イギリスにおける3月の天候を端的に表した言葉ですが、実は日本の3~4月の状況にもよく当てはまり、3月はまさに「ライオン」のような天気・気温に見舞われることがあるのです。

鍵は低気圧の「通り道」

3月がライオンのようにやってくるのは、低気圧の「通り道」が変わるためです。
冬の間は日本のかなり南を通っていた低気圧が、春を迎えるとともに本州のほぼ真上を通りやすくなります。
上空を流れる偏西風が北上してくるためで、低気圧は偏西風に乗って、春は(ちなみに秋も)本州付近を通過することになるのです。

低気圧と高気圧は偏西風に乗って交互にやってくる。(作画・植松愛実)

そして低気圧が通過する際、通過前には南風が吹いて気温が上がるものの、通過後には北風が吹いて気温が下がります。
低気圧の周りには反時計回りの風が吹いているためです。
この風向きの変化が、短期間で大きな寒暖差を生じる原因となります。

低気圧の通過前と通過後では気温も体感温度もガラリと変わる。(作画・植松愛実)

しかも、低気圧中心の南側と北側とで温度差が大きい場合、低気圧は急発達しやすくなります。
春先など季節の変わり目には南北の温度差は当然ながら大きくなりますから、まさに低気圧が発達しやすい状態。
そのため、発達した低気圧による強い雨・雪や強い風、そしてより大きな気温変化が引き起こされるのです。

天気予報をこまめにチェックしたい時期!

春は日々の天気・気温変化が大きく、「昨日と同じような天気」や「昨日と同じような気温」を期待しづらい時期。
年度の変わり目で自身の仕事も家族のこともバタバタしがちな時期ですから、予想外の雨や強風に咄嗟の対策をする余裕がない!という人が多いと思います。
こんな時期だからこそ天気予報をこまめにチェックする習慣をつけて、「転ばぬ先の杖」にしたいですね!

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

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