【防災士解説】エレベーターに乗った途端に地震!扉・ボタンはどうするのが正解?

2023/05/11
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

5月に入ってから石川県では最大震度6強、千葉県では震度5強の地震が発生し、自宅の備えを見直している人も多いと思います。
千葉を中心とした地震のように都市部で起きる地震では、震度4以上の揺れを感知して高層ビルやマンションなどのエレベーターが一斉に止まるおそれも。
問い合わせや救助要請が殺到してなかなか外に出られない事態を避けるために、何ができるのか。
防災士の資格を持つライター・植松愛実が解説します!

わずかに開いている扉…開ける?閉める??

エレベーターに乗り込んだ直後に地震が発生し、扉がわずかに開いている状態で止まってしまった場合。
人は通れないけど手を差し込むことはできるような隙間があったら、どうするのがよいでしょうか。
答えは、「扉を閉める」です。
というのも、エレベーターは扉が閉まることによって再起動するタイプのものが多いから。
もちろん扉の構造によっては(中央から左右に開くタイプなど)閉められないのですが、2枚の扉が重なって左右片方に格納されるタイプだと内側から閉められることがあるので、ケガをしないよう気をつけながら閉めてみましょう。

動いている最中に揺れた!止まる前にできること

エレベーターがまさに上昇や下降をしている途中で揺れを感じたら、とりあえずすぐに一番近い階から順に全部の階層ボタンを押していきましょう。
完全停止する前に、最寄り階に安全に止まってくれる可能性があります。
震源が直下でない場合は揺れる前に緊急地震速報が届くので、速報を受けてすぐ押せると効果的です。

非常呼び出しボタンは根気強く押す!

最近のエレベーターは、緊急時に管理センターに直通で連絡できる非常呼び出しボタンが設置されているものがほとんど。
そのため、地震などでエレベーターに閉じ込められたら、まずはそのボタンを押すことになります。
しかし、震度4以上のエリアが広い場合や震源が都心に近い場合、かなりの数のエレベーターが一斉に停止し、1つの管理会社に対して数千台のエレベーターから問い合わせが殺到することも…。
つまり、ボタンを押してすぐにオペレーターにつながることは期待できません。
それでも、少しずつ時間を空けながら何度も何度も押し続ければ、やがてつながります。
あきらめずに根気強く続けるのが重要です。

声は意外と聞こえない…声より「音」で!

商業ビルなど大きなビルの場合、建物内部に管理センターがあって人が常駐していることがあります。
その場合、閉じ込められたエレベーターの内部から直接助けを呼ぶパターンもあると思いますが、じつは人の声はあまり外へは届きません。
それだけでなく、体力を消耗しすぎてしまう危険性があります。
むしろ扉をたたくなどして音を出す方が伝わりやすいので、体力を大事に温存しながら、「声ではなく音」で助けを呼びましょう。

どんな場合もスマホは節電を

エレベーターで閉じ込めに遭遇した場合、自宅に帰ったり誰かとの約束の場所へ行ったりするのが大幅に遅れる可能性が高いです。
そのため、閉じ込めに遭ったらスマホの節電対策をしましょう。

まずはスマホ画面を一番暗い設定に。
節電モードのあるスマホは節電モードにして、アプリの通知をオフにしたりスタンバイ時間を短くしたりします。
また、そもそも地震によって携帯電話サービスが止まっていたり、エレベーター内部が圏外だったりする場合は、機内モードにしましょう。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を中心に発信。

計算中