片手鍋で簡単!お家でコーヒー焙煎:ゼロウェイスト実践レポート 4

2022/09/16
  • 美大卒のやりくりママ。関東在住・男女2児と夫の4人家族。55平米の狭小中古一戸建てをDIY中。もっと見る>>

関東在住、エコ1年生の堀江麻衣です。「ゼロ・ウェイスト・ホーム」という本に衝撃を受けて、ごみを減らすよう暮らし方を変えてきましたが、そのひとつがコーヒーの飲み方です。以前はコーヒーメーカーで大量に淹れて何杯もカプカプ飲んでいましたが、現在は淹れる量を減らし、1日1杯を大事に飲むようになりました。コーヒー豆を求めてさまよい歩き、最終的に生豆で買って自家焙煎するように。本日の記事は、お家でできる、特別な道具のいらないコーヒーの自家焙煎のレポートです。

コーヒー焙煎を始めたわけ

ごみを減らす取り組みの本「ゼロ・ウェイスト・ホーム」を読んでから、パッケージごみを出さないようにするために、カルディに容器を持ち込んでコーヒー豆を買うようになりました。よく買っていたのは「イタリアンロースト」で、それまで買っていたコストコや業務スーパーの豆よりは高かったけれど、味はいいので納得していました。

その後、「ゼロ・ウェイスト・ホーム」翻訳者の服部雄一郎さんのブログを読んでいると、コーヒーの自家焙煎をされているという記事が載っていました。自家焙煎をすることのメリットとして、「生の豆は安くフェアトレードのものが買いやすい」という点と、「焙煎したてはとてもおいしい」という点があるとのこと。カルディでフェアトレードのコーヒー豆を買おうとすると100gあたり450円もするのですが、通販などで生豆で買うとフェアトレードのものでも100g200円程度で買えるそう。

ええっ、家でコーヒーの焙煎ができるなんて、、、!
と興味が湧いて、私もチャレンジすることにしました。

初めての自家焙煎

まずは、コーヒー豆屋さんにおいてあった網付き焙煎器を購入しました。銀杏やゴマやほうじ茶なんかも焙煎できるものです。生豆を入れてガス火の上でふりふりすること約15分、パチパチはぜながら、薄緑の生豆の色がみるみる焦げ茶色に変わっていって、コーヒーの焙煎が完了しました。

部屋中に漂うこうばしい香りにくらくらしながら、自分で焙煎ができたことに大興奮でした。早速淹れてみると、お湯を吸ってぶわわわっっとすごい勢いで豆が膨らみました。後で「焙煎直後はガスがたくさん出て味が落ち着かないので、翌日あたりから飲み頃になる」と知ったのですが、その日は「いっぱい膨らんでる!新鮮だー!」と大盛り上がりでした。
味の方もしっかりコーヒーでしたが、それ以上に「自分で焙煎した」というプラスアルファが加わって、最高の一杯になりました。

それからは、容器持ち込みで「生豆」のコーヒーが買えるお店を探してさまよいましたが、あるにはあるけれど遠かったり値段が高かったり…。そして「フェアトレードの生豆」を置いている、容器持ち込み可能なお店は見つかりませんでした。

コーヒー生豆は通販で

生豆で容器持ち込みで買えるお店だと、100g当たり約450円。
焙煎すると80g程度に減るので、焙煎後の値段で考えると100gあたり約560円。
以前買っていたコストコの「スターバックス・ハウスブレンド」の4倍近い値段になるし、容器持ち込みで買えるカルディの「イタリアンロースト」と比較してもかなり高いです。
(*下記 値段表 参照)
しかも、「生豆」ってだけで、フェアトレードでもなければオーガニックでもないし…。

う~ん、どうしたものか…と悩んでいたら、ゼロ・ウェイストの先駆者の姉が、「豆乃木(まめのき)」というコーヒー豆通販サイトを教えてくれました。ここは「オーガニック&フェアトレード」に力を入れていて、姉は何度も利用しているとのこと。姉が購入した豆を何種類か分けてもらいましたが、「マンデリン」が好みだったので、姉と共同購入することにしました。
購入したのは マンデリン5kg  (無農薬&フェアトレード)
9180円で、送料・税込みです。

100gあたりの値段は183円で、生豆を容器持ち込みで買えるお店と比較するとかなり安いです。
焙煎後は80g程度に減るので、焙煎後の値段で考えても100g/229円。
コストコや業務スーパーのコーヒーと比べればやっぱり高いですが、カルディのイタリアンローストよりはずっと安い。カルディで売っているマンデリン(同じ種類の豆)と比べると、半額近いです。

そして何より、無農薬&フェアトレード!これは大きなポイントでした。

ゼロ・ウェイストに取り組みだしてから、通販の利用をできる限り避けています。
段ボールや緩衝材を避けるためと、個別配送のエネルギーの利用を避けるためです。
でも、今回はいろいろ探し回ってたどり着いた先だし、姉と共同購入なので負荷は半分…(ということにして自分を納得させる)。
あとは配送方法が気になるところ…。
実際に届いた豆は、紙袋入りでした。

この配送方法がかなり良くて、外側の紙袋は「雑紙リサイクル」用の入れ物として再利用できるし、防水用のビニールも取っ手付きなので、何度か利用した後ゴミ袋へ転用。生豆は2重の紙袋に直接入っていたので、姉と1枚ずつ紙袋を使って、中身を分けました。「生豆の保存は通気性が大事」とのことだったので、この紙袋のまま吊り戸棚へ。最終的に、生豆の入っていた紙袋もリサイクルできます。明細書と試供品も入っていましたが、これは事前に断ることができるかもしれないので、次回の注文時にチャレンジしたいと思います。

焙煎に必要な道具は2つだけ

最初は上に写真を載せた網付き焙煎器を使っていましたが、一度に焙煎できるのは40g程度。我が家は夫婦合わせて1日約30g飲むので、毎日焙煎しなくてはいけません。それはちょっと大変すぎる…と思っていたら、姉が「片手鍋でコーヒー焙煎」をする「ハマ珈琲」さんのYouTube動画を教えてくれました。家庭にあるごく普通の片手鍋で、生豆から焙煎するものです。これだと、一度に200g程度焙煎できるとのこと。
その後、姉に実演講習をしてもらって、自分でもできるようになりました。

片手鍋と、チャフ(薄皮)を落とす用の金属製の網さえあれば、家庭で焙煎ができます。IHの方は、カセットコンロも必要です。

ステンレス製の鍋を購入

我が家にある片手鍋はホーロー製のものですが、ホーローは衝撃に弱く空焚き厳禁なので、焙煎には使えず。ステンレス&ガラス蓋のものを購入しました。値段は500円ちょっと。少しでもかわいくしたいと思って、持ち手をセリア(100均)のドアノブに変えたのですが、これがまぁ微妙なところで…。

通常の調理のときは問題ないのですが、焙煎中はかなり熱くなり、このドアノブ取っ手を触れないんです。仕方なしに、姉からもらったシリコンでカバーして焙煎しています。

しかも、接着剤が衝撃と熱でダメになったのか、一度取っ手が外れる事態に。耐衝撃&耐高熱の接着剤を購入してつけなおしましたが、ドアノブへの付け替え、お勧めしません~(みんなやらないか)
鍋本体のハンドルもかわいいのに換えたいな、と思っていますが、木のハンドルへの付け替えってどうすればいいのでしょう。もしわかったら、いつかご報告します。

いざ焙煎スタート!

まずは鍋を温めて、生豆を投入します。はじめは薄緑色ですが、徐々に色が変化していきます。
鍋を前後に振って、中身を回転させます。「ハマ珈琲」さんの焙煎動画を流しながら、同じタイミングで鍋を振ったり、火を強めたり弱めたり、ふたを開け閉めしたりしています。


4分経過。

すこーし焦げ目がついてきました。



6分経過。

全体に薄茶色になってきました。
火力によりますが、7分くらいでポンポンはぜる音がしてきます。蓋を開け閉めして温度調整。


12分経過。

2ハゼといって、みちっビチッという音がして油分が出始めます。蓋を開け閉め。


15分経過。
焙煎完了!

私は深めに煎ってミルクを入れるのが好きなので、表面に油分が浮くこのくらいまで焙煎しています。
浅煎りが好きな方は、早めに火を止めればOKです。

もうもうと立ち上る煙と、辺りに飛び散るチャフ(薄皮)

ザルにいれてチャフ(薄皮)を落とし、冷まします。

コーヒー豆よりは網目の小さい、でも大き目の網目の金属製のザルが、チャフ(薄皮)を落としやすいです。プラスチック製のザルは、高温のコーヒー豆で溶けてしまうのでNG。もし金属製のものがなければ、大皿に広げて冷ましてからザルでチャフを落とせば大丈夫です。

我が家にはもともと網目の小さい金属製のザルがひとつだけだったのですが、調理には問題なくても、コーヒーのチャフがうまく落ちない…。網目の大きなものを買おうとしてたところ、義実家で「このザル、もう捨てようかな」というので、飛びついてもらってきました。コーヒー焙煎だけではなくて、ラーメンの湯切りや野菜の水切りにと大活躍です。

片手鍋焙煎の仕上がりはいかに

こちらが焙煎後のコーヒー豆。ややムラがありますが、網付き焙煎器を使っていたときより均一にできるようになりました。

コーヒーは焙煎すると2割程度軽くなります。100gだったら80g程度に重さが減ります。
それとは逆に、かさは焙煎すると増えます。

左が焙煎前で、右が焙煎後。

倍ぐらいに膨らんで、色は薄緑から濃い茶色へ。
焙煎後の豆は翌日から1週間ぐらいが飲み頃で、長くても1か月くらいまでがおいしく飲める期間だそうです。
それに対して生豆は、高温多湿を避ければ家庭でも2~3年は保存がきくそうです。生豆で買って1~2週間に1度焙煎するようすれば、頻繁に買い出しに行かなくても、いつでも新鮮なコーヒーが飲めるようになるというのが、最大のメリットかもしれません。

私の下手な焙煎でも、煎りたては本当においしいです。初めての時の興奮や感動はもう無くなってしまいましたが、それでも続けているのは、ゼロ・ウェイストやフェアトレード、無農薬というこだわり以上に、焙煎したてのコーヒーを手軽な価格で手に入れられるというところが大きいです。
以上、コーヒー焙煎のレポートでした!

この記事を書いたのは・・・堀江麻衣
口コミサンキュ!ではトップブロガーとしてブログを執筆。55㎡の狭小中古1戸建てをDIYしながら暮らす専業主婦で、小5の男の子と4歳の女の子の2児の母。多摩美術大学で陶芸を4年間専攻。美大卒業後は、12年間学習塾で英語と国語を教えていました。

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