チューリップ

チューリップは自然の温度計?気象予報士おすすめ!春に子どもとやりたい「今、何℃?」

2024/03/21
  • 気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を代行する出張料理人としても活動中。野菜ソムリエ、食育インストラクター、薬膳マイスターなどの資格や、東北~関西まで各地に住んだ経験から、健康や美容にうれしい食材や、いざという時に備える災害食にも詳しい。 もっと見る>>

春になると、街中でも公園でも一斉にさまざまな花が咲き始めます。
植物は一般に気温や天気など自然の環境に敏感ですが、なかでもこれから各地で見頃を迎えるチューリップは「自然の温度計」と言えるほど、気温変化に敏感に反応します。

今回は、気象予報士・防災士の資格を持つライター・植松愛実が、春のおでかけでぜひ注目したいチューリップと気温の関係を教えます!

気温によって花の開き具合が変わる!

チューリップ

チューリップの花は、気温が低いときには固く閉じたままですが、気温が上がってくると徐々に開き始めます。
しかも、寒い時期に閉じていて暖かい時期に開く、という長いスパンの話ではなく、1日のなかで冷え込んでいる時間帯は閉じていて気温が上昇するとともに開き、また冷えてくると再び閉じる、いった具合に開閉を繰り返すのです。

気温が何℃のタイミングで開くかは品種にもよりますが、おおむね15℃くらいから開き始め、20℃くらいだともうしっかり大きく開きます。

なぜ開いたり閉じたりするの?

チューリップ

花が開いているとき、チューリップは花が閉じているときよりも根から水をしっかりくみ上げて、全身の成長に使うことができます。
まるで、水をくみ上げるポンプのようですね。

いつもしっかり水をくみ上げてばかりでは体力を使いすぎてしますが、気温が高いときは植物にとって成長のチャンスですから、そういうタイミングを狙って集中的にがんばろうというわけです。

チューリップの花びらの細胞は気温変化を感じ取って伸び縮みする性質があり、たとえば気温が上がると花びらの内側の細胞が伸びて外側に向かってそり返るような形になって、結果的に花が開くしくみ。

ちなみに成長しきったらもう開閉する必要がなくなるので、1日中開きっぱなしになり、最終的には花びらが落ちます。

「今、何℃?」チューリップを見て当ててみよう!

チューリップ

チューリップは観光地だけでなく、街路樹の根元に植えられているものや、住宅街では民家の庭にもよく咲いているので、身近で見つけやすい植物です。

「今、15℃ちょっと超えたくらいかなぁ?」「このくらい開いていたら余裕で25℃くらいありそう!」などと推理してみたり、クイズにしてスマホで調べた気温と比べてみても面白いですね。

子どもと外に出るときや、通勤・通学のついでなど、ぜひ道端の「自然の温度計」に注目してみてください。

■この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。サンキュ!STYLEでは、誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。

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