子どもが本好きになる!読書嫌いでも絶対に楽しめる中高生におすすめの2冊
こんにちは。
これまで1,000冊以上の本を読んできた読書マニアのサンキュ!STYLEライターあやをです。
「読書が苦手」というお子さんは結構多いですよね。そういうお子さんは、本に対して「難しそう」「面白くなさそう」「面倒臭そう」そんなイメージを持っているのではないでしょうか。今回は、そんな本へのマイナスイメージを払拭し「なんだ、本って意外と面白いじゃん」そんな風に思える、中高生におすすめの2冊をご紹介します。
本は嫌いだけど、セカオワは好きですか?
読書間奏文 /藤崎彩織
「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏を担当するSaoriこと藤崎彩織さんの初エッセイ。読書間奏(感想)文というだけあって、一章ごとに一冊の本が紹介されているのですが、ただの本紹介ではなく、自身のエピソードと絡めて、物語のどのセリフが自分の人生にどう影響してきたのかなど、本を通して著者の「想い」が綴られています。
大好きなピアノのこと、ウィスキーのこと、セカオワのメンバーのこと、レコーディングや、炎上した日のこと、そして妊娠や出産について...
セカオワメンバーの裏側を知ることができる楽しさもありますし、著者の真面目で丁寧で繊細な人柄が文章に滲んでいて、セカオワのSaoriとはまた違った、一人の女性「藤崎彩織」の一面を見ることができます。
セカオワのSaoriもこんな風に悩んでいたんだな...と、身近に感じるかもしれませんし、また、そういう辛いときに本に救われたんだなということが感じられ、この本を読むと、自然とここで紹介されている小説が読みたくなるのです。
普段はあまり本を読まないけれど、セカオワの曲は好き!そんな中高生にぜひおすすめしたい、読者を次の読書へ向かわせてくれる素敵な一冊です。
リア充を巧妙に非リアっぽく綴るエッセイ
時をかけるゆとり / 朝井リョウ
「ゆとり世代」である著者が、大学生活〜社会人の間に起きた、とにかくくだらない日々を綴る。
このエッセイのおすすめポイントはズバリ「著者が若い」ということ。俗語満載!若者言葉上等!友達の話を聞いているような感覚でスルスルと読めちゃいます。
学祭でダイエットドキュメンタリーを撮ったり、お腹が弱く合宿中に便意に司られてあたふたしたり、カットモデルをお願いされていい気になってみたり。どこにでもいる普通の大学生のエピソードなのですが、その一つ一つが「ちょっと残念」で笑えるのです。
朝井リョウさんは、別の作品で「自分たちから漂う痛々しさを、俺は、どうしても見過ごすことができなかった」(新潮社『何者』)と書いているのですが、このエッセイを読むと、その文章の意味がよく分かります。
色んな流行りには乗っかるんだけど、どこかでそんな自分を鼻で笑っていて、"私はちゃんとはたから見たら痛いのを分かってやっていますよ"という予防線を張っている、そんな感じが随所に見て取れました。
著者は「自分を貶めるふりをしてリア充をアピールするエピソードを振りかざす」タイプが嫌いだと書いているのですが、あなたがまさにそうでしょう!と突っ込まずにはいられなかった、リア充エピソードを巧妙に非リアっぽく綴ったエッセイ集。
自身のことを「妖怪馬顔猫背」と言ってみたり、自虐的な表現も多いのですが、結局めちゃくちゃ楽しい大学生活じゃん!と羨ましくなる、若者パワーに溢れた一冊。
おうち時間が長い今こそ、読書デビュー!
最初に読む本で「難しい」というイメージがついてしまうと、なかなか本を手に取らなくなってしまいますよね。かく言う私も、小学校低学年のときに祖父からこれを読め!と渡され無理やり読んだ「レ・ミゼラブル」のせいで、しばらく読書から遠ざかってしまいました。(低学年には難しすぎました。レ・ミゼラブルはやっぱりもう少し大きくなってから読むべきですね。)
楽しい!と思える読書体験はとても大切です。だから、最初は芸能人が書いたエッセイでもいいし、好きな映画の原作本を読むでもいいし、とにかく興味が持てて面白いと思える本を読んで欲しいと思います。
そうするうちに、あ、あれも読んでみたい、これも読んでみたい、と自然と次の読書へ向かうようになり、だんだんと長編小説なんかも読みたくなってくるかもしれません。
家にいる時間が長い今こそ、読書デビューのチャンス!もちろん大人も楽しめる本なので、親子で読んで感想を語り合ってみてはいかがでしょうか?
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◆記事を書いたのは・・・あやを
インテリアも節約も収納も料理もそこそこな肩書き迷子。強いて言うなら暮らしにまつわるあれこれを幅広く執筆する「暮らし」のオールラウンダー。お金好きが高じてFP2級を取得。暇さえあれば本を読んでいる読書家。Instagramでも定期的に読んだ本を紹介しています。