2016/09/23 01:02
昨日の朝、神奈川県の川崎にある岡本太郎美術館に行ってきました。
行くことになったきっかけは、一枚の新聞記事。

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北國新聞に掲載された、中村錦平(なかむら きんぺい)先生の書評です。

私は美術大学出身で、工芸学科で4年間陶芸を専攻していました。

中村錦平先生は私が通っていた多摩美術大学の名誉教授で、世界的に有名な陶芸家です。

中村錦平先生の講演会について書いた記事はこちら

プロとアマの違い 中村錦平先生
http://39.benesse.ne.jp/blog/1985/archive/81


中村錦平先生のご自宅の記事はこちら

モダンリビンク掲載の家・中村錦平先生ご自宅訪問
http://39.benesse.ne.jp/blog/1985/archive/115



錦平先生がくださった手紙に、以前錦平先生が北國新聞に書いた書評が同封されていたのです。

思い出の一冊として、

岡本太郎著 「今日の芸術」

が紹介されていました。

岡本太郎さんは、「太陽の塔」で知られる芸術家です。

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「芸術は爆発だ!」も有名ですね。

その岡本太郎さんの代表作「今日の芸術」が錦平先生の人生に大きな影響を与えた一冊なのだと知り、即購入しました。

タイトルは難しそうだし、堅苦しそうだなと思いましたが、ぐいぐいと引き込まれ。

明快でわかりやすく、具体例とともに説得力のある言葉でつづられています。

この「今日の芸術」についてのブログを書こうと思って2回目の読み込みをしている途中、徐々に高まってきた二つの思いがありました。

「岡本太郎さんの作品を生で直接見てみたい、空気を感じたい。」

「作品も見ないで、ブログに適当なこと書けないぞ」

そんな二つの思いに押されて、台風も過ぎ去った昨日、岡本太郎美術館へ行ってきたのです。

川崎にあるこの岡本太郎美術館には、学生時代に行ったきりなので、10数年ぶりです。

場所は小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩17分くらいです。

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生田緑地という、緑地のなかにあります。

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緑地を歩いて

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沼地を過ぎて階段を上ると


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さっそく岡本太郎さんの作品が。

美術館の上の広場には

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巨大な塔がありました。


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「母の塔」という名前で、30メートルの高さがあります。

岡本太郎美術館の中は写真撮影していい場所が限られていて、今日載せているのはその許可された部分のみです。

ぜひここを撮りたいと思う部分はたくさんあったのですが、撮ることができず残念・・・(T_T)

「ブログには むしろどんどん書いてください」

とのことだったので、美術館の中を紹介します(*^_^*)


美術館の中に入ると、チケットカウンターの横に展示室への入り口があります。

その入口から漏れる赤い光・・・。

展示室へと続く通路は細く、真っ赤で、その赤色が入口からのぞいて見えるのでした。

その通路には、めいっぱいの大きさに作られた顔の彫刻があります。

奥に進むにはここを通るしかないのですが、通路が細いため顔のすぐ近くを歩かねばなりません。

これがものすごい圧迫感で、作品の力をひしひしと感じるのです。

ちょっと怖いくらいの圧迫感です。

通路が赤いのも、圧迫感に拍車をかけています。

岡本太郎さんの作品の力があるのはもちろんのこと、この「細く赤い通路を、巨大な顔を横目に見ながら進まないと先へ行けない」という展示方法も、作品の力を高める重要な役割を果たしていると思いました。


岡本太郎美術館の展示方法が普通の美術館と少し違うのは、「順路」が無いことです。

たいていの美術館は矢印とともに順路が示されていますが、ここは

「順路はありません。迷路のような美術館の中をどうぞお進みください」

というような内容が書いてありました。

自分の気の向くまま進んでいい。

ワクワク、期待が高まります。

岡本太郎さんの初期の作品や経歴を知る部屋、両親の紹介の部屋と進み、絵画の部屋へ。

そしてこちらの、写真撮影OKの部屋にやってきました。

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ここに沢山置かれていた作品。

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タイトルは

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「坐ることを拒否する椅子」

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≪椅子でありながら人間と「対等づら」する、こいつら≫

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一つ一つに顔がついていて、座るとごつごつと痛い。

顔がついているから、座ると「彼ら」に下から見られているような気分。

そして、お尻で潰しているのを「彼ら」に悲しまれているような、嫌がられているような、なんとも居心地の悪い思いをするのです。

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素材が陶器なので、自分の重みで壊れるのではないかハラハラするという点でも、非常に座りづらい椅子です。

これは10数年前、学生時代に来た時もすごく感銘を受けて、当時大学のレポートに書いた記憶があります。

確か「無機物に意思を持たせている、生命を吹き込んでいる」といった内容で。

今回改めて見てもその発想と素材選び、配色と完成度に、「すごい・・・・」と、やはり感銘を受けたのでした。



学生時代に来たときと、今回では明らかに私の感じ方が違うものがありました。

それは岡本太郎さんの「絵」についてです。

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私は工芸学科の陶コース出身で、学生時代は立体作品(オブジェ)をつくっていました。

毎日立体のものに触れていたし、周りの造るものも立体だったので、学生時代に来た時も、立体のものはすんなり抵抗なく見ることができたのです。

ただ、正直岡本太郎さんの絵に対しては

「なんだか よくわからないなぁ・・・」

という感じでした。


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力強いけれど、何を表しているのかよくわからない。

何か意味がありそうだけれど、よくわからない・・・。

そう感じていました。

でも今回は、以前来た時とは感じ方が違いました。

それは「今日の芸術」を読んでいったからだと思います。

「今日の芸術」には、多くの人が口にする「わからない」という言葉についての章がありました。


《 「わからない」ことを心配することはない。

「いい」と思った分量だけ、わかったということ。

答えを当てるために見るわけではない。

その場に引きつけられている、何かを感じているということ。

自分自身で率直に見て、何かを発見できればその人にとって価値だ。》

という内容です。

これを読んで、

「ああ、わからないことを心配しなくていいのか、作品の隠れた意味、答えを言い当てられなくてもいいのか」

と肩の力が抜けたのです。

素直に 純粋な気持ちで まっすぐ作品に向き合う。

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もし何かを感じたら、心が動いたら、それが「わかった」ということ。

作品の意味は探らなくてもいい。
(もちろん探ってもいいけれど)

自分はこの絵から何かを感じているのだろうか、ということに意識を絞って作品を見ていると、昔見たときとはまた違う震えるような感動がありました。

「わからない」ということが恥ずかしいと思っていた自分、「隠された意味を探さなければならない」思っていた自分がいたのだと思います。

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≪ 作品に積極的に白紙でぶつかって古いおのれを脱皮し、精神を高めるべき。

絵とはこういうものだという固定観念が純粋で素直な鑑賞を邪魔する。 ≫



「なんだこれは!?」と関心をもってまっすぐに作品にぶつかることが重要とのことでした。

「わかる、わからない」は問題ではなく、純粋に作品と対峙して、「自分自信が何を感じるか」が大切だということ。

それを実感をもって感じられたのが、今回の一番の収穫でした。

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美術館では岡本太郎さんの制作風景やインタビュー映像が沢山流れていて、印象に残った言葉がありました。

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それは「調和」という言葉の意味についてです。

インタビュー映像で見た岡本太郎さんいわく

「調和とはぶつかり合うこと。

お互いを気にしてそれぞれ何割引かする事が調和ではない。

生身でぶつかって、そこから新たな世界が開けることが調和。」

なるほどー!と思いました。

これまで私の中では、お互いゆずりあってちょうどいいところを探すのが調和、というイメージでした。

でも、「ぶつかり合って新たな世界が開ける、新しい展開が生まれる」という解釈の方が、確実に前に進むイメージです。

「調和」という言葉が、すごく建設的な、プラスの言葉に私の中で変わりました。


岡本太郎美術館では、常設展で岡本太郎さんの作品を展示していて、期間限定の企画展でさまざまな作家の作品を展示しています。

企画展は「鉄道美術館」というものでした。

これは、美術館の名前ではなく、今回の企画展の名前です。

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鉄道を作品の要素に取り入れた作品が多数ありました。

壁に張り巡らされたプラレール。

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これは、パラモデルという二人グループの作家の作品です。

プラレールがこんなに面白い模様になるとは・・・。


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一部屋、まるごとプラレールで埋め尽くされた部屋があって、そこは圧巻でした。

残念ながら撮影禁止・・・。

下の写真は「東京動脈」という作品。

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東京の地下鉄を、血管に見立てたもので、チューブの中を液体が流れています。

天井が地面で、それぞれの地下鉄の深さをあらわしているとのこと。

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影が、地下鉄の路線図になっているのです。

次の写真は「一戸建てマンション」という作品

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次の作品は「キリン」

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この「鉄道美術館」という企画展は、2016年10/10まで開催です。

値段は常設展と企画展合わせて1000円でしたが、WAONカードを持っていたので200円割引になりました。

WAON以外にも、割引になるカードが数種類ありました。
中学生以下は無料です。

この常設展と企画展のふたつで800円は絶対に安い、行く価値はあると思います(*^_^*)


心に刺激と潤いを感じられる、そんな時間になりました。

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