2017/07/16 23:33
「普通に育ってくれれば」「普通が一番」

幼い子どもを持つ親御さんに「どんな子に育ってほしいですか?」と質問すると、こんな答えが返ってくることがよくあるようです。

聞きようによっては、欲張り過ぎない謙虚な答えのようにも感じられますね。

でもこの「普通」っていう言葉、何だかよくわかりません。

勉強も運動も芸事も平均的なレベルでこなせるのが普通の子だと考えるのなら、いわば「これといった欠点がない子」ということになります。

でも、誰にでも大なり小なり苦手なことがあることの方が多いのですから、「普通」を望むというのは返ってぜいたくな願いなのかもしれません。

ならば「苦手なことも得意なこともそれなりにあるけれど、それらの能力を平らにならすよう計算すると平均的になる子」を普通と考えるのが良いのでしょうか。

このあたり、能力のばらつきがどの程度許容されるのかが私にはよく分かりません。

以前塾で働いていた時、国語の点数は常に90点以上なのに算数の点数が20点とか30点くらいの子がいましたが、その子も平均化すると普通になります。

それなのに先生である私達はこの子はやや特殊なタイプだという認識を持っていて、当時その子はもう6年生だったこともあり、

「もうお前は国語勉強するな、算数だけやれ」と先輩の先生にたびたび言われていたのを、不憫に思いながら私は見ていました。

普通が良い、無難が良いという考え方、少し寂しい感じがします。

そもそも、普通って何でしょうか。

夏に屋台などで見かけるビー玉を例にとりましょう。

ガラス自体に色がついているビー玉には青や緑のものが割と多いため、青や緑のビー玉は普通のビー玉、赤や黄色のビー玉はちょっと変わったビー玉と言ってしまいがちです。
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でも、赤や黄色のビー玉が多い地域があるとしたら、そこでは赤や黄色のビー玉が普通で青や緑のビー玉は珍しいものになるのでしょう。

普通という概念は、そもそも比較で成り立っているのです。

ですから、どこに行っても普通だと言われる子というのは、周りに合わせて自分の色を変えられるカメレオンのような能力を持つ子なのかもしれません。

周囲の人と自分を合わせることで安心するのは、日本人の奇妙な癖らしいです。

船の乗客を海に飛び込ませるのに有効な言葉は国によって違うらしいのですが、日本人の場合は「みんな飛び込んでいますよ」が最も効くという話を聞いたことがあります。

「飛び込むとお金がもらえる」という分かりやすい報酬を好む国もあったはずですが、日本人は報酬より他の人と同じであることの方を優先するというわけ。

日本は島国だからなのか、「和を以て貴しとなす」と昔から言われているくらい協調性を大切にする国でもあります。

でも、みんなが同じであることが「和」ではないのでは。

「和して同ぜず」という言葉のように、自分をしっかり持ちながら仲良くしていくことが大事なのではないでしょうか。

アメリカでは個性的であればあるほど、「あいつはすごいやつに違いない」と尊敬されると言います。

1人1人が違っていて当たり前という雰囲気があるので、障害があっても個性ととらえられて尊重されるそう。

「丸くならなくていい、もっととんがれ、もっととんがれ」という教育環境。

私自身はアメリカ本土に行ったことがないのですが、住んだことのある人からよく聞く話です。

確かに、丸く磨かれた水晶は美しいけれど、結晶のままの鋭い水晶はそれとは違った強い輝きを放ちますね。

発達障害の子どもというのは、いわばこの磨かれていない水晶。

うちの息子にも苦手なことはたくさんありますが、逆に大人が驚くほど得意なこともいくつかあります。

数字が好きで、2ケタの数字の足し算も頭の中でできている様子。

文字や記号に興味があるので、ひらがなやカタカナはもちろん、一部の熟語(警告、駐車場など)やアルファベットも読めます。

「そんなの読まなくていいから、もっと着替えの練習をしておくれ」などと言いたくなる瞬間もありますが、ぐっとこらえて「すごい!読めたねえ」とほめ倒しです。

以前、NHKで発達障害の特集をやっていた時、司会の井ノ原さんがふと「普通って、何でしょうね」とつぶやくように言ったのがとても印象に残っています。

息子の発達障害が分かってから、何度この「普通」という言葉を周りから聞かされたでしょうか。

実態のはっきりしないこの言葉に苦しみながら、「うちの子は普通じゃないんだ…、どうしてだろう」という問答を繰り返す日々。

あの時誰かが、「普通じゃなくていいんだよ、そもそもどこからが普通でどこからが普通じゃないかなんて、はっきりとは決められないんだから」と言ってくれたらどんなに楽だったでしょう。

障害があっても少し変わっていても、その子なりの輝きを見つけられたら良いではありませんか。

そんな気持ちを共有したくて、先日「発達障害を考える親の会(通称:きらきら星の会)」の発足に至ったわけであります。

気になった方は、インスタグラムを覗いてみてもらえると嬉しいです(私の投稿は、@kitunedanngo で見られます。雑多な内容ですがご容赦ください)。

「#きらきら星の会」のハッシュタグで療育や子育て関連の情報を発信しております。

とりとめのない独り言の記事に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



(「発達障害を考える親の会」は雑誌のサンキュ!とは無関係の会です)
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