2016/07/05 14:24
私は高校生のころ陶芸を始め、大学では東京・八王子にある多摩美術大学というところで4年間陶芸を専攻していました。
いくつかのジャンルを経験してから専攻を絞るところが多い中、私の卒業した工芸学科では入試の段階で専攻を絞っての受験でした。
だから4年間、本当にびっちり陶芸漬け。
現在も近所の陶芸教室で作陶し、山梨に運んで親の窯で焼かせてもらってます。

先日、通っている陶芸教室に、こんなパンフレットが置いてありました。

中村錦平先生講演会
「東京焼 かく造り、かく企み。」

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中村錦平(なかむら きんぺい)先生は美術大学4年間の恩師で、私が尊敬する方です。
いつもはお知らせをいただけるのですが、今回は届いていない…
引っ越しの連絡はしたのですが、うまく伝わらなかったのかもしれないと思って、開催場所に電話をして申し込みました。

7/3公演日当日は、夫に息子を頼み、会場のある原宿へ。
た  た  竹下通りなんて、人生で2回くらいしか通ったことがない・・・\(~o~)/
なんとか竹下通りをぬけるといきなり静かな通りに変わりました。
会場は東郷神社の境内、日本陶芸倶楽部でした。

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なんと ここ

陶芸教室とパーテーションで区切ったところに・・・






茶室があるのです!

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ちゃ 茶室って・・・!

さすが・・・!
セレブが集まるところです。
しかも、茶室の隣にはバーがあって、陶芸をした後にワインなどのお酒を楽しめるんだとか。
す すごい・・・!\(◎o◎)/!
優雅だ・・・・!
なんだか住む世界が違うよ!!

その茶室には、中村錦平先生の作品が飾ってありました。

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土瓶

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立体造形

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抹茶碗

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今回は、全ての作品を手で持ってOKでした。
見るだけと、手で触るのはやはり違います。
今こうして写真を見返しても、質感や重さがありありと蘇ります。

錦平先生の作品のポスターも

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こちらが恩師、中村錦平先生です。

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錦平先生は現在81歳。
でもいつ会っても、マイナス20歳に見えます。
初めてお会いしたときは65歳でしたが、40代後半かと思いました。
全身からみなぎるオーラと、目の輝きが違う。

私の結婚式にいらしてくれたときも、初対面の私の友人たちが、

「オーラだけであの方が錦平先生だってすぐわかった」

と言っていました。

錦平先生の作品や、参考になるスライドをスクリーンに映して講演が進んでいきました。

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実は今回、家にお知らせが届かなかったのは訳がありました。
後から聞いた話ですが、

「アマチュア向けの講義だから、教え子や美術を志す者には聞かせたくない。
美術を志すものには、もっと厳しく伝えたいことがある。
勘違いされるといけないから、関係者には今回の講演のことは伝えないように。」

と錦平先生が主催者側に止めていたそうなのです。

それなのに教え子の私が最前列に座っていたので、びっくりされていました。
私以外にも卒業生と陶芸関係者の2人が、インターネットで今回の講演を知って聞きに来ていました。

今回の講演では、学生向けの時には1度も聞いたことが無かった、作品の技術的な話がありました。

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ろくろのスピードや、器の口のつくりの話。
ここまで具体的な技術の話は、4年間習った中で一度も聞いたことがないものでした。
先生の作品の写真でも、今まではそこに至る考え、狙いを聞くことはありましたが、今回のように造り方を聞いたのは初めてでした。

講演後、錦平先生と一緒に。

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サンキュ!に載ったことをお伝えしたくて持参しました。
お見せするだけの予定でしたが、
「しっかり読みたいから、ちょっとコピーとってくれ」
とのことだったので、そのままお渡ししました。

なにで載ったのか聞かれ、
「節約です。」

というと、ピンと来ていない様子の錦平先生。
2〜3回「節約」と伝えましたが、うまく伝わっていない・・・・?

・・・はっ

・・・まさか・・・!?

「節約」という言葉を

ご存じない…!?

錦平先生は、生まれも育ちも現在もセレブな方だから、本気で知らないのかもしれない(゚o゚;

翌日奥様からお電話をいただいたとき、
「『節約』で雑誌に載ったとお伝えしたのですが、うまく伝わっていないような気がして・・・。
錦平先生、もしかして、『節約』って言葉を知らないんじゃないかと思って・・・・」

と伝えたら、奥様、大爆笑でしたが(^_^;)

「そんなことないわよ〜!
節約は、大事よね!
私もしっかり読ませていただきます」

とのことでした。
・・・ほっ(^^ゞ

錦平先生のことをブログに書かせてほしいとお話したら、
「どういうブログ?
文字数は?」
と。

も 文字数・・・!

考えてなかった・・・!

う〜ん、と返答につまっていると、

「いいよ、書いても。
何について書くの?
それで、僕をどう料理するつもり?」

いや いや いや いや

錦平先生を料理するなんて(@_@;)

めっそうもない!

今日のことを書きます、と伝えたら
「そう?
今日のことなんて、書くことある?
いや〜、緊張するなぁ」
と。

あります、あります。
書くこといっぱいあります。

今回の講演で一番印象に残ったのは、今日のタイトルにある「プロとアマの違い」です。

中村錦平先生は、陶芸の大家の長男として生まれながら、その伝統を打ち破ってきた方です。
芸術選奨文部大臣賞や文化庁長官表彰。
国際陶芸コンクールの審査員を務め、世界的に有名な方です。
テレビでも特集を組まれたり、何度も雑誌や新聞にコラムを書いたり、作品が雑誌に載ったりすることは多数、著書も出されています。
プロ中のプロ、超プロフェッショナル。

そんな錦平先生が考えるプロのアーティストとは

表現したいことが先にあり、それをどんな形式で表現するか、どの技巧を使うか考える。

表現→形式/技  の順序


それに対しアマチュアは

伝統の作品やいいと思う作品の形式や技をまねるところから、作品を造りだす。

形式/技→表現  の順序

学生時代も、技術や形式に縛られることが無いように、あえて具体的な技術の話はされなかったのだと思います。

さらに、三越などのデパートで売られている、高い値段がついたものがいい作品だと思ってしまうのがアマチュアの弱いところ。
つい高いものをありがたがってしまう。

また、陶芸教室の先生に聞いたり、雑誌で読んだりした造り方に疑問を持たず、それが正しいと思ってしまう。

もっと「表現」することを考えて、言われたとおりにやらず、自分の頭で考えて作ってほしい、もっと遊んでほしいとのことでした。
そして
「僕が今日言ったことも、鵜呑みにしないで」
と。

ただ、考え、造り、感動し、新たな自分を発見することができるのは、プロもアマも同じ。
そのプロセスは、挑戦するひとが同じく経ることができるというものでした。

いつも

いつも

錦平先生のお話を聞くと、全身にエネルギーが満ち溢れてきます。
がんばらねば、自分の頭で考え、表現し、先へ進まなくてはと思います。

もうひとつ、錦平先生がおっしゃっていた言葉。

「ほめられた時ほど、気を引き締める」

というもの。
あまりに作品の評が良かったり、ほめられるときは

「本当にそうだろうか」

と立ち止まって考えるとのことです。

今回の講演であった、
「自分の頭で考えること、褒められた時ほど気を引き締めること」
日常生活でも重要なことだと思いました。

高いものがありがたいわけではない。
自分の望む生き方はなんなのか考える。
そして謙虚に、傲慢にならず、天狗にならずに生きていく。

錦平先生は、日本の陶芸を大きく変えた方です。
陶芸といえば食器という日本に、アートとしての陶芸の流れを作った方。
私は多摩美術大学での4年間は、オブジェを造ってきました。

私みたいに「いつかはプロに」なんて甘い目標ではなく、若いころから錦平先生の見てきたのはもっとずっと大きなものです。

「敵は世界であり、時代。」

時代を読みながら、時代を変えてきたのです。

圧倒的存在過ぎて、話すときはいつも緊張するし、対面しただけでなんだか涙が出そうになるのですが、愛に溢れた方でもあります。

司馬遼太郎さんが書いた「”独学”のすすめ」という話の中に、いかにいい先生に出会うのが難しいかというのがあります。
いい先生に出会えなければ、独学のほうがよいという趣旨の話。
ただし、話の最後に、もしいい先生に出会えるという幸運に恵まれれば、いい先生につくに越したことはないという内容が書いてありました。

私は、そのまれな幸運に恵まれたと思っています。
作家として、教育者として、こんなにも素晴らしい方と出会えたことに感謝して、日々挑戦していきたいです。

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