2017/10/13 12:32
妊娠8か月(28週)のころに全前置胎盤と診断を受け、本来の予定日より1か月半ほど早い妊娠9か月(34週)で第2子を出産しました。

これまでに何度か全前置胎盤での妊娠・出産について記事を書いてきています。

「緊急入院しました。」

という記事からご覧いただくと、経過が分かりやすいかもしれません。

自分の中で、当日のことを書いておかないと別の記事へ進めないという思いがあるので、出産当日について書かせていただこうと思います。

上にリンクを貼った記事で書いたのですが、予定より早く入院することになったきっかけは、突然痛みもなく出血をしてしまう「警告出血」というものでした。

明け方4時ごろトイレに起きたとき、500円玉大の出血をしていることに気が付きました。

聞いていた通り、痛みは全くなかったのですが

「出血をしたら、夜中でもなんでも病院へ電話をかけるように」

とお医者さんから言われていたため、電話をかけ、受診することに。

そのまま緊急入院することとなり、その日からベッド上安静の管理入院生活が始まりました。

「全前置胎盤」というのは子宮の出口(子宮口)を胎盤が覆ってしまう異常妊娠なのですが、妊娠週数が進むと出血のリスクが高くなります。

出血がひどくなると母子ともに命が危ない状況になるとのことで、再び出血をしないように、腹圧がかからない姿勢を維持するのが重要になるとのことでした。

基本的にはベッド上に寝たきりで、お腹が収縮しないようにする張り止めの点滴を24時間受け続けます。

緊急入院から10日後の9/29、夕方4時30分ごろ、なんとなく出血したような気配を感じてトイレへ向かいました。

このときも痛みは感じず、やや胎動が強いな、と感じる程度でした。

トイレへ行くと、前回と比べてかなり多めの出血をしていたので、直ちにナースコール。

看護師さんとお医者さんが飛んできてくれました。

トイレから車いすに乗せられ、自分のベッドに連れて行かれる途中で

「堀江さん、これから緊急帝王切開となります。

ご家族と連絡を取ってください。」

と言われました。

夫に電話をかけ、家族の連絡用LINEにもメッセージを送り・・・

今回私が出産したのは、看護師の姉が勤務している病院だったので、日勤で病院にいるはずの姉に連絡を取ってもらいました。

自分のベッドで手術着へ着替えさせてもらっている間にお医者さんがやってきて

「今朝とったMRI(子宮の状態を断面撮影したもの)の結果が先ほどあがってきて、みたのですが

子宮と胎盤の癒着がみられます。

このまま胎盤をはがすと6〜7リットル、少なくとも5リットル以上の大量出血をします。

身体の血液をほぼ失う状態なので、非常に危険です。

出血せずにうまくはがせるかやってはみますが、MRIの結果を見たかぎりでは子宮摘出になる可能性が高いです。」

と説明を受けました。

子宮摘出の可能性については緊急入院した当日も説明を受けていて、同意書にもサインをしていました。

ただ、実際に私がそういう状況になるという想像がどうもできておらず、どこか他人事というか、覚悟がまったくできていないまま緊急手術に向かうこととなりました。

日勤中だったにも関わらず、呼び出しに応じて駆けつけてくれた姉に手を握ってもらいながら手術室に運ばれて行きました。

「出血が止まらなくなった場合は赤ちゃんに血液と酸素が行き渡らなくなる」

ということを聞いていたので

手術前に赤ちゃんの心臓が止まってしまうのではないか・・・

自分の子宮も無くなってしまうのか・・・

そもそも私の命も無くなってしまうのではないか・・・

いろいろな不安と恐怖が襲ってきて、涙は止まらないし、手の震えもあごの震えも止まらない・・・

ずっとガチガチ歯を打ち鳴らしていました。

手術室には顔を知っているお医者さんが4人も入ってくれて

「大丈夫だからね。

出血したのが4:30でよかったね。

5:30になったら医者がほとんど帰ってしまうところだったから、本当にいいタイミングだったね。

皆ついているから安心してね」

と声をかけてくれて、帝王切開の手術が始まりました。

5歳の息子を出産した時も逆子だったために帝王切開で生んだのですが、そのときとは状況が全く違いました。

息子のときは手術室まで自分で歩いて向かい、手術台にも自分で登り、お医者さんと雑談をしてから帝王切開スタートという感じでした。

お医者さんも、執刀医1人と研修医1人で、看護師さんなどほかのスタッフの方々もずっと少なかったです。

今回の帝王切開は、お医者さんと他のスタッフの方の人数が前回の2〜2.5倍・・・

「全前置胎盤による帝王切開と、場合により子宮摘出」

と術式を全員で復唱する際の声も、前回とは違い大きな声で手術室にこだまして、怖かったです。

手術開始から約10分後に

「赤ちゃんがでました!」

との声。

そこから産声が聞こえるまでにしばらく間があって、赤ちゃんが無事なのかどうか心配で、心臓が痛かったです。

私にとっては長い沈黙のあと(時間にすると多分10秒くらい)

「おぎゃぁ おぎゃぁ」

と産声が聞こえてきて・・・・安堵というか、感動というか、ここでも涙が・・・(T_T)

「それでは、眠くなる点滴を入れますね」

と言われて意識が遠のく中、

赤ちゃんは無事に産まれた・・・

でも 私はこのまま逝くんだろうか・・・・

そうなったらごめん、夫と息子・・・

と思いながら目を閉じました。

そこから約1時間半後、眠くなる点滴の効果が切れて手術室で目を覚ましたときは、手術はほぼ終わりに近づいていました。

ザワザワした手術室の中で

ああ・・・生きてた・・・

良かった・・・

というのが初めに思ったことでした。

「子宮はどうなりましたか」

と聞くと

「子宮は摘出になりました。

やはり癒着がひどくて、はがそうとしましたが無理でした。

でも、前回の帝王切開の傷跡の部分がぺらぺらに薄く、まるで紙のようになっていたので、どちらにしても3人目の妊娠は危険でした。

もし子宮を温存できたとしても、3人目はストップをかけていました。

子宮は摘出になってしまったけれど、これでもう子宮の病気にはかからないからね」

とお医者さん。

この話を聞いたときは、

「そうか・・・

子宮がなくなったのか・・・・」

と落胆もしましたが、手術室に向かったときと比べればずいぶん落ち着いていました。

手術の3日後に、お医者さんから再び詳しい説明を受け、やはり子宮摘出しか方法がなかったことを納得できました。

私としては

「早産になってしまったこと

子宮摘出になってしまったこと」

という、「最悪の場合のみおこること」と考えていたことが現実になってしまい、順調だった息子の出産時とは大きくかけ離れた出産ではあったのですが

この「最悪の場合」のなかでの幸運がいくつもあったようです。


*MRIの結果が出ていたこと。

お腹の中の状況が分かっている状態での手術だったので、手術が進めやすかったとのこと。

*出血したのが金曜日のPM4:30だったこと。

金曜のPM5:30〜土曜・日曜はお医者さんが少なくなってしまうので、お医者さんが揃うまでに時間がかかる場合があるそうです。

もしあと1時間遅かったら・・・と考えると、本当に幸運だったと思います。

*事前に自己血を採っていたこと。

2日前に、400ccほど自己血をとって貯血していたので、それを戻すことができました。

自己血は、輸血に比べてさまざまなリスクが少ない、最も安全な血液と言われているそうです。

*出血が1600cc弱で済んだこと


通常の帝王切開の2倍程度の出血とのことですが、全前置胎盤の手術としてはかなり少ない出血で済んだとのことです。

*手術室が空いていたこと


手術室が使用中だと、外で待たされることもあるそうです。

*母子ともに命が助かったこと


今回付き添ってくれた看護師の姉のほかに、もう一人看護師の姉がいるのですが、連絡を受けた瞬間に姉の頭に浮かんだのは「私が命を落とすこと」だったそうです。

その姉いわく

「最悪の状況にならなくて良かった・・・」

とのこと。

今回の「早産・子宮摘出」は全然「最悪の状況」ではないとのことでした。

そして個人的に大きな支えとなったのは、日勤で勤務していた姉が直ちに駆けつけてくれて、手術室へ入るまでの間ずっと手をとって励まし続けてくれたことです。



子宮摘出の後の身体ですが、「生理がなくなり、妊娠が出来なくなる」というのが大きな変化です。

母乳に関しては、胎盤が体外へ排出されることによって生産が始まるとのことで、影響はありません。

子宮と卵管は全摘出になりましたが、卵巣は残っているので女性ホルモンは通常通り分泌され、更年期も通常通りやってくるそうです。

「赤ちゃんの頭が透けるほど子宮がぺらぺらになっていたため、どちらにしても3人目は妊娠できなかった」

という自分自身の状況や

「子宮がんなど、子宮の病気にかかることは無くなる」

というメリットを聞いても

「女性の象徴ともいえる臓器」

を失った喪失感や寂しさはぬぐえませんが

今回の手術後に思うことはただ一つ

母子ともに命が助かってよかった

ということです。

退院当日、実家に顔を出したら父が母の肖像の下に、手書きのメッセージを貼っていてくれました。

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『命を継なぎ 君の命も持ち帰ってくれて ありがとう』

「ショックなこともあったし、失ったものと得たものを単純に比較はできないけれど、とにかく君が無事でよかった。

赤ちゃんも無事でよかった」

と父。

夫にも、何度も

「無事に帰ってきてくれてありがとう」

と言われました。

息子が夫に飛びついて 地面をゴロゴロ転がりながら じゃれあっているのを見て

本当に、無事に帰ってこられてよかった・・・と思いました。
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