2017/01/23 17:27
古文に苦手意識のある人って多いですけど、古文はコツさつかめば割と対策しやすい教科です。

なので、中高生のお子様をお持ちのお母様方の参考に少しでもなればと、このシリーズの記事を書いています。

1つ前に書いた記事はこちらです。

【定期試験における古文の山かけテクニック】
http://39.benesse.ne.jp/blog/2259/archive/64

冬休み明け、百人一首大会を行う学校もあるかと思いますので、今回は和歌の解釈について書こうと思います。


【技法を制する者は和歌を制す】

和歌が試験範囲になると「何を勉強していいかわからない」とよく言われましたが、答えは簡単。

和歌は技法(修辞とも言います)が確実に出題されます。

どのような技法が使われているか、その技法の使われている部分を抜き出して説明せよ、もしくは技法に注意して現代語訳せよなどという問題が多いです。

つまり、技法を理解して現代語訳できるようにしておけば、ほぼ完璧。

じゃあ技法って何かといいますと、枕詞、掛詞、序詞の3つです。

本当は和歌の技法は他にもたくさんあるのですが、試験に出題されるのはこの3つがほとんどなのです。

では、どのようにして勉強すべきかを説明していきます。

1.枕詞
「ただの飾り」。枕詞自体の意味は忘れられてしまっているので訳す必要はありません。5文字のものがほとんど。枕詞のすぐ下に、導かれる語があります。枕詞と導かれる語をセットで覚えましょう。枕詞は同じものがいろいろな和歌で繰り返し使われるため、丸暗記しておけば大丈夫。よく使われるものの例は以下の通り(枕詞→導かれる語の順で)。

・あしひきの→山
・からころも→袖、裾、着る、裁つ など(衣服関係の言葉)
・ちはやぶる→神、氏(宇治)
・ぬばたまの→夜、黒、夢 など
・うつせみの→命、世
・くさまくら→旅
・たらちねの→母、親
・ひさかたの→光、日

地名にかぶせる枕詞は多いですが、地名以外を導く枕詞の方が出題されやすいです。呪文のような言葉で覚えにくい場合は、古語辞典で語源を調べると分かりやすくなります。例えば、「あしひきの」は山すそを足にたとえて、「山すそを長く広げている」の意味。「ぬばたまの」はヒオウギの実からきていて、これが黒いことから黒→夜→夢と連想されていきました。

<例>
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
(訳)光がのどかな春の日に、どうしてあわただしく桜の花が散っていくのだろうか。
→「ひさかたの」という枕詞が「光」を導きます。「ひさかたの」という部分は訳しません。

2.掛詞
「だじゃれ」。同音異義語を利用して、1つの言葉に2つ以上の意味を持たせたものです。基本的には、持っている意味を全て訳す必要があります。掛詞は枕詞のように形式的なものではありませんが、同じパターンが何度も使われるという傾向があるので暗記で対応可能。よく使われるものは以下の通りです。(掛詞→含まれる意味の順で)。

・思ひ→火・思ひ
・みをつくし→澪標(舟の通り道を示すために立てる棒)・身を尽くし
・あき→秋・飽き
・ふる→降る・振る・古る・経る
・うらみ→浦見・恨み
・まつ→松・待つ
・なかれ→流れ・泣かれ
・ながめ→長雨・眺め
・ふみ→文・踏み
・すみ→澄み・住み
・はる→春・張る

大抵の場合、景色や物を表す言葉と心情や動作を描写する言葉の2種類の意味が含まれることが多いです。そして、「思ひ」以外は平仮名で表記されるという特徴を覚えておいてください。漢字で書いてしまうと1つの意味に固定されてしまうため、平仮名にしてあるのです。例外となる「思ひ」は語尾の「ひ」の部分に「火」がかけられているため、漢字で表記されます。掛詞はここに出したものの倍くらいは知っておきたいもの。古語辞典の後ろの方のページに掛詞の実例が書かれていることがあるので、拡大コピーしてどこかに貼っておくのがおすすめです。

<例>
わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ
(訳)思い悩んでいるのだから今はどうなっても同じこと。難波にある澪標の名にあるように、身を尽くしてでもあなたに会いたいものだと思う。
→「みをつくし」の部分に、「澪標」と「身を尽くし」の意味が含まれています。多少強引でも両方の意味を訳しましょう。

3.序詞
「長い前置き」。下の言葉を導くための語句であるという点は枕詞と同じですが、枕詞は五音以下、序詞は七音以上という決まりがあります。枕詞と違い、1つ1つが作者のオリジナルで同じものが2度と使われることはないという特徴があります。よって、丸暗記は不可能。和歌の中で、前後のつながりがどことなく不自然な場合、序詞が使われていると思いましょう。枕詞は訳しませんが、序詞は訳します。

<例>
筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞ積もりて淵となりぬる
(訳)筑波嶺の峰から落ちてくるみなの川のように、恋が積もりに積もって淵のように深くなってしまいました。
→「筑波嶺の峰より落つるみなの川」が序詞で、「恋ぞ積もりて淵となりぬる」という部分を導きます。(「恋」だけを導くという考え方もありますが分かりづらいので無視)。

みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ
(訳)みかの原を分断して流れているいづみ川ではないが、いつ会ったからといって恋しいのだろうか。
→「みかの原わきて流るるいづみ川」が序詞で、「いづみ」と同音である「いつ見」の部分を導きます(濁点は無視)。

序詞の訳し方に悩む人が多いのですが、序詞とその後をつなぐ時「のように」または「ではないが」を使うと決めると楽です。2つ挙げた例のうち、前者は意味的なつながりを利用した序詞なので「のように」と訳し、後者は音の類似によって導く序詞なので「ではないが」とします。序詞の内容は自然や身近なものの描写が多く、導かれる部分には心情や性質が詠まれることが多いです。見えにくいものを視覚的に分かりやすく表現したのが序詞だと考えることもできますね。


というわけで、長くなりましたがそれぞれの技法の特徴を説明しました。

少しでも和歌解釈の手助けになれば幸いです。

ただ、実はまれに技法の全くない和歌が試験に出題されることもあります。

このパターンについての攻略法は、また次の機会に。
danngoさんのファンになる
この記事をみんなに教える
  • ごはん
  • おうち
  • ハンドメイド
  • やりくり&懸賞
  • 健康&ダイエット
  • ビューティー&ファッション
  • おでかけ
  • お買いもの
  • 子育て&家族の話
  • あれこれ
コメント(0)