2019/04/16 06:46
先日、子ども達を連れて息子のピアノ教室に向かっていた時のことです。
 
いつものように停留所に並んでバス待ちをしていると、視界の隅にひょっこり20歳くらいの青年が現れました。
 
その青年は長く並んだバス待ち客の正面に急に近付くと、私達より後ろにいた年配のご婦人方に立て続けに「こんにちは、こんにちは」と声をかけました。
 
私はその雰囲気から、「ああこの方自閉症かな。積極型かしら」とピンときたのですが。
 
ご婦人方は次の瞬間、半歩下がって無言のまま体をのけぞらせたのです。
 
「わざわざ声をかけたのはただ挨拶したかったからなのか、それとも何か困ったことがあるのに話しかけ方が分からずとりあえず『こんにちは』と言ったのか…」
 
私が頭をフル回転させてそんなことを考えている間に、青年はご婦人方の反応を見て無駄だと悟ったのか、ふっとそのまま立ち去ってしまいました。
 
その青年がいた位置から私達の並んでいるところは数メートル離れており、私は相当大きな声を出さないとその青年に話しかけることはできず(そして多くの場合、発達障害の人は大声を好みません)。
 
子ども達がいたため自分から青年の方に近付くことは難しく、非常にもどかしい思いをしました。
 
あの時ご婦人方が避けようとせずに、形だけでも会釈して「こんにちは」と返してくれればすぐに立ち去ることはなかったでしょうに。
 
そうすれば「どうしましたか?道が分からないのですか?」というメッセージだけでも後ろのお客さんに伝言ゲームのようにしてつないでもらって、話を聞くことができたかもしれません。
 
おせっかいながらも、そんなことを悶々と考えてしまいました。
 
ただ、私にはご婦人方の気持ちも分かるのです。
 
発達障害のことを全く知らない中高生くらいの時分、電車の中でひたすら車掌のアナウンスの真似をし続けている人や、道を歩きながら大声で独り言をつぶやいている人をよく見かけました。
 
その時の私は、「奇妙だ、怖い、気持ち悪い」とつい思ってしまい、自然と距離を置きながら見つめていた記憶があります。
 
人間は、未知のものに対しては簡単に近付こうとはしないものです。
 
たとえ優しい人でも、自分がよく理解できない対象には、簡単に手を差し伸べることはできないのではないかと思います。
 
逆に言えば、知ることでもっと人は優しくなれるはずなのです。
 
うちの息子も電車が大好きで乗ると先頭車両にはりついていることが多いので、今なら車掌アナウンスを真似する人を見て「電車が大好きなのね」と微笑む余裕があります。

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歩きながら独り言の人も時々見かけますが、「思ったことを整理するために一度声に出す必要があるのかな」などと推測することが可能です。

発達障害と呼ばれる人が世の中には一定数いて、一見奇妙なことをすることもあるがそれには理由があるーそういったことを知るだけでもずいぶん見方が違ってくるのではないでしょうか。
 
もちろん発達障害だけでなく、身体障碍、難病、先天性疾患、外国人やLGBTなどに対してもそうですね。

実は、ママ友やご近所さんの中に私の息子のことを心配して「何か力になれたら」などと言って下さる親切な方が結構います。

不思議に思ってよく話を聞いてみると、「うちの周りにも(発達障害児が)いるから、大変なのはよく分かる」なんて言葉がぽろっと出てきて。

やはり、知ることが手を差し伸べるきっかけになるのでしょう。

少し前の話ですが、4月2日が「世界自閉症啓発デー」、4月2日から8日までが「発達障害啓発週間」と呼ばれる日でした。

シンボルカラーは、青。

この時期に建物を青くライトアップするイベントが各地でありましたし、「青いものを身につけて出かけよう」と声をかける自治体があります。

私も2日には、青い服を着ておりました。

「世界自閉症啓発デー」で検索すると、この時期の取り組みや「自閉症とはどういうものか」といったことまで知ることができ、非常に興味深いです。

発達障害や自閉症について、言葉は知っていても実態がよく分からない人は多いのではないかと思います。

ぜひこの機会に、覗いてみてくださいませ。

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日曜日の朝、布団に隠れてふざけ合っていた子ども達。

こういった姿を見ると、普通の子と変わらないのになあ、などと思います。
 
 
 
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コメント(2)
三田さん、コメントありがとうございます。

>一見奇妙なことをすることもあるがそれには理由がある
例えばですが、うちの息子の場合は感覚過敏が強いので特定の刺激を入れようとして電気のスイッチをつけたり消したり、分厚い本をめくり続けたりしますね。嫌な刺激を減らせば落ち着くことも多いです。

>思ったことを整理するために一度声に出す必要がある
これに関しては、そんなタイプの人がいると聞きかじっただけで実際は違うかもしれません。まあ全く別の理由だとしても、迷惑をかける気はないと思われます。

人によって対処法が違う、まさにそれが問題で。子ども自身が話すことができるのなら、直接どうしてほしいか聞くのも手だと思います。コミュニケーションが苦手なら、絵や簡単な単語を使うとかですかね。

背景や内情を知らず、外側から漠然と眺めているだけでは前に進むことは難しいですよね。おっしゃる通りだと思います。

一生懸命調べないと情報が入らないというのも、問題だと思うのですけどね。もっと声を上げる人が増えたりメディアが取り上げたりすれば、世の中変わっていく気がします。

こんな記事に対して真面目に考えて下さり、ありがとうございました。
>発達障害と呼ばれる人が世の中には一定数いて、一見奇妙なことをすることもあるがそれには理由がある
 前半は知っているけれど後半をよく知らないし、対処法も判らない。
>思ったことを整理するために一度声に出す必要がある
 こういうことが知識として入っていると、全然心構えが違いますね!

 人によって対処法が違うとも聞くので、同じクラスのママさんとかならどうしたらいいのか教えてくれると嬉しい……と思いましたが、どうしたらいいのか聞きに行かなきゃ駄目ですね。
 腰が重い人間としては、こうして声を上げてくださる方がいるのが助かります。
 子持ちに社会が冷たい問題もですけど、背景や内情がどうなっているのかを共有すると、世間の多くの人が変わると思いました。
 そこから社会が変わっていくんでしょうね。

 子供に教えるためにも、まず自分が調べてみようと思います。