40歳・専業主婦に訪れた、突然の別れ。

スクールカウンセラーの先生が異動。
息子の学校には、スクールカウンセラー(以下SC)がいます。
入学時、いささか不安定だった息子について、
*実はそういうお子さんはごまんといます。
当時何度もSCに相談、お世話になりました。
某日、帰宅した息子が放り出した荷物の中に、カウンセラー室からのお便り発見。
読み進めると最後に
「○○小学校(息子の学校)での勤務は本日で終わりです。ありがとうございました」
の一文が。
異動のお知らせですよね?
本日?
本日終了?
ピッカリもビックリよ。
時刻は夕方。
SCの先生は、すでに帰宅されたかもしれません。
このまま「SCと一保護者」として無言で終わっていく
それも間違いではないでしょう。
卒園後に会った保育園の先生がびっくりするほどドライだった経験もあるし。
*卒園したから当然なんだけど。
割り切るか、割り切れるのか……と自問すること10分以上。
割り切れない、という結論に達し、迷惑承知で学校に電話。
幸い職員室におられ、取り次いでもらえました。
入学当初から大変お世話になり、こちらから出向いてお礼申し上げるべきところ、電話でのご挨拶になり申し訳ありません。
ありがとうございました。
それだけ言えればよかったはずが、形式的なことばの途中で強烈に悲しくなって、込み上げる涙。
SC「入学から息子君は学校でがんばってきて、元気に過ごしています。
お母さんも一生懸命考えて育児をしてきて、いくつも悩みを乗り越えてきました。
この先、高学年、中学校と進んで、そのたびに悩みはたくさん出てくるでしょう。
それでも、この4年間で幾度となく乗り越えてきた息子君と自分を信じて、大丈夫だと自信を持ってください」
いつも優しい先生、わたしが泣いているのはお察し。
同時に、常に冷静で。
最後まで「SC然」とした態度で、励ましてもらってしまった。
今のわたしと息子がいるのは、先生のおかげですヒョクッ!ヒョクッ!(嗚咽)
SC「このようなお電話がいただけて、カウンセラーとしてとても光栄です」
……!(号泣)
信頼していた方が去ることが、こんなに辛いとは。
花屋の隅に追いやられていた桃の花。

枝の束を300円で譲ってもらいました。
毎日、床に散る桃の花びらを見ては、お別れを思い出して泣きそうになる毎日を過ごした。
育児・生活・人生。
誰かに聞いてもらいたいけど、周りの人は言われても迷惑だろうなと思うとき。
とりあえず頼れそうなプロのドアはたたいてきたここ数年。
もっと辛い人はいるだろうに、と躊躇する気持ちを
あちらはご職業なので
と開き直らないと進めなかったところもある。
しかしなんの職業についていようと、相手は感情を持つ同じ人間。
どの先生に対しても、一方的に話を押し付けて終わらないように気をつけて、ご意見・ご助言を胸にとどめ、生活に活かすようにこころがけてきました。
*しばしば忘れて同じこと尋ねる。

SCに直接お金を払ってきたわけではありませんが、今後も、真剣に接してくれる相手との関係を「商売人」と「客」みたいに勘違いはしたくないです。
ご縁がなければさくっと終わるのみ。
過去、息子の主治医も一度変わりました。
その時は突然
「今月で異動なんですよねー。次はどんな医者がいいです?」
と言われ、お礼もままならず、何度も頭だけ下げて診察室を出ました。
後から寂しくなり、次の先生がどんな人なのかと、不安になったのを思い出した。
*よい先生に引き継いでもらいました。
今回はあの時みたく、この先誰に頼ればいいのか?と大きな不安にかられてはいない。
それはSCがわたしを肯定し続けてくれたことで、以前より少しは、親として自信を持てるようになったから、なのかもしれません。
SCの異動で、好きとか嫌いとか関係なく、突然やってくる別れがあると再認識。
受け持った生徒はたくさんいるはずなのに、息子とわたしの名前を、他愛のないエピソードを、覚えていてくれた先生。
ここで言っても仕方がないのですが、本当にありがとうございました。

散るのが分かっていても、また、花を飾りたい。
こころにも、汚部屋にも。
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mihoyamana